1on1が嫌いな部下のモチベーションを高めるために、本記事では、上司が取り組むべき改善策を解説します。1on1が嫌いな部下を放置することで生じるマネジメントの課題や対話を通じた信頼関係構築のポイントもまとめているので、参考にしてください。
目次
部下から1on1ミーティングを嫌がられてしまい、対応に悩んでいる上司の方も多いのではないでしょうか。
1on1ミーティングは、部下の成長支援や組織の活性化などを目的に多くの企業で導入されています。しかし、現場の部下やメンバーからは、「時間の無駄」「上司と1対1で話すのが苦痛」といった声が上がり、形骸化してしまうケースも少なくありません。
本記事では、部下から嫌がられてしまう1on1ミーティングの特徴や、モチベーションを高めるための改善策を解説します。1on1ミーティングが嫌いな部下を放置する課題もお伝えするので、生産性の高いチームを作るための参考にしてください。

1on1ミーティングとは、上司と部下が個別に行う面談です。1on1ミーティングの実施において、部下から「嫌い」「苦痛」と思われている状態を放置すると、組織運営においてさまざまな悪影響を及ぼします。
ここでは、形骸化した1on1ミーティングを放置することで生じる具体的なマネジメントの課題を解説します。
形骸化した1on1ミーティングを放置すると、結果的に業務の生産性低下につながるため注意が必要です。ネガティブな気持ちを持ったまま1on1ミーティングに取り組む時間は、上司と部下双方にとって苦痛であり、時間を浪費するだけになりかねません。
特に、繁忙期のような業務に集中したいタイミングで目的のない1on1ミーティングを強行すると、部下は「この時間で仕事を進められるのに」と不満を募らせます。このような場合、1on1ミーティングによってお互いの貴重なリソースが削られることで、かえって業務全体の生産性が落ちる場合があります。
意味のない1on1ミーティングを続けることで生じる課題の一つが、上司と部下の信頼関係が悪化し、モチベーションの低下を招く点です。相互理解が失われた状態でチーム内の対話がうまくいかなければ、部下は「自分の声は軽視されている」と感じてしまいます。
例えば、1on1ミーティングが上司からの一方的な指摘や、実のない表面的な会話の場になっていると、部下は業務への主体性やモチベーションを失ってしまいます。このような状況が続けば、上司や組織への信頼は薄れ、部下のエンゲージメント低下につながるため注意が必要です。
モチベーションマネジメントの手法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:※3月KW「モチベーションマネジメント」

1on1ミーティングは、チームのパフォーマンスを向上させるための重要な時間です。しかし、部下の中には、以下のような理由で1on1ミーティングを嫌がる人もいます。
ここでは、部下が1on1ミーティングを嫌がる理由を4つ解説するので、ぜひ参考にしてください。
部下が1on1を嫌がる理由の一つに、ミーティングで話すことを見つけられない点が挙げられます。何を話せばよいのかわからない状態に陥っている部下は、1on1ミーティングに参加する意義を見いだせなくなります。
上司が「何でも話したいことを話してね」と声をかけても、1on1ミーティングに慣れていない部下にとっては、話題を出すのが難しいケースも珍しくありません。上司が意識してトピックや課題を提供できなければ、部下は1on1ミーティングの時間を苦痛に感じるようになってしまいます。
上司のコミュニケーションスタイルが合わないことも、部下が1on1ミーティングを嫌がる要因の一つです。1on1ミーティングは部下が主役の場です。しかし、場合によっては、上司が一方的に話してしまって部下の話に耳を傾けられていない場合もあります。
例えば、部下が悩みを相談しても、上司が話を遮って自分の経験談を語り始めたり、頭ごなしに意見を否定したりするようなケースです。上司の傾聴スキルが不足していると、部下は話す気をなくし、1on1ミーティングを苦痛に感じてしまいます。
1on1ミーティングの目的が曖昧な状態で行われていることも、部下から嫌がられる理由です。
部下は、「なぜ1on1を実施するのか」「自分にとってどのようなメリットがあるのか」を理解していないと、積極的に参加する意欲が湧きません。上層部に指示されたからという理由だけで、上司が目的を伝えずに漫然とミーティングを続けていると、部下は「何のための時間なのか」と疑問を抱きます。
その結果、1on1ミーティングが単なる雑談や無駄な時間と感じられ、部下の興味やモチベーションは低下してしまいます。
1on1ミーティングの効果を実感できずにいることも、部下が嫌がる理由の一つです。
1on1ミーティングを実施しても、その後のアクションにつながらなければ意味がありません。勇気を出して問題提起をしたにもかかわらず、上司から具体的な解決策や対応が示されない状況が続くと、部下は「相談した意味がなかった」と感じるようになります。
このような失望感が蓄積されることで、部下は1on1ミーティングをやっても意味がないと諦めるようになります。

部下が1on1ミーティングを苦痛に感じる背景には、上司のNG行動が隠れていることが少なくありません。部下に嫌がられてしまう上司の具体的な特徴として、以下のような行動が挙げられます。
このような一方的な態度や行動を上司がとり続けると、部下は「何を話しても無駄だ」と感じて次第に心を閉ざしてしまいます。その結果、1on1ミーティングは単なる業務報告や表面的なやり取りに終始し、本来の目的である部下の成長支援や信頼関係の構築が果たせなくなるため注意が必要です。
部下にとって1on1ミーティングの時間が精神的な苦痛や負担にならないよう、上司は「部下のための時間である」という認識を持つ必要があります。1on1ミーティングがうまくいっていないと感じている場合は、上司が自身の傾聴の姿勢やコミュニケーションのスタイルを客観的に振り返ってみることが大切です。
マネジメントに必要なスキルについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
関連記事:※3月KW「マネジメント スキル」

効果的な1on1ミーティングを実施し、部下のモチベーションを高めるための改善策を5つ紹介します。部下が嫌がる1on1ミーティングを改善したい方は、ぜひ参考にしてください。
効果的な1on1ミーティングを実施するためには、まず自社なりの目的を明確にし、部下と共有することが重要です。目的が明確になることで、上司と部下の間で共通目標を設定しやすくなり、部下が前向きに参加できるようになるからです。
1on1ミーティングの目的には、主に以下のようなものがあります。
1on1ミーティングはあくまで部下のための時間であること、同時に上司にとってもメリットがあるものであると伝え、認識のズレを解消しましょう。
1on1ミーティングの前には、事前に話すテーマやアジェンダを共有しておくことがポイントです。事前の共有により部下が考える時間を確保でき、「何を話せばよいかわからない」という事態を防げます。
1on1ミーティングのテーマやアジェンダの主な例は、以下の通りです。
| カテゴリー | 話したいこと・相談したいことの例 |
| 業務の進捗 | ・今週・今月のタスクの進み具合 ・成果報告 など |
| 課題・悩み | ・つまずいている業務 ・サポートしてほしいこと ・最近の体調 など |
| キャリア・スキル | ・興味のある分野 ・伸ばしたいスキル ・中長期的に取り組みたいこと など |
| チームへの提案 | ・改善したい業務フロー ・チームの雰囲気や連携 など |
| その他 | ・雑談したいこと ・聞いてみたいこと ・上司への質問 など |
お互いに準備をしたうえで1on1ミーティングに臨むことで、限られた時間を有効活用でき、質の高い対話が実現します。
効果的な1on1ミーティングを実現するための準備については、こちらの記事をご覧ください。
関連記事:※4月リライト対象「1on1 準備」
目的や状況に応じて「時短1on1」と「しっかり1on1」を使い分けることも有効な改善策です。部下からすでに1on1ミーティングを嫌がられている場合、即効性のある対策として、まずは短時間で負担の少ない面談を実施しましょう。
このように時間を使い分けることで、時間的な負担やストレスを減らしつつ、有意義な話し合いができる環境を作り出せます。
アンドアでは、コーチングベースの1on1を学び直すための機会を提供しています。詳細については、「砂時計型1on1プログラム」の資料をご確認ください。
なお、時短1on1を実施する際のポイントについては、こちらの記事でも詳しく解説しています、
関連記事:15分で”納得感”を生み出し行動を引き出し続ける時短1on1の4ステップ〜忙しい管理職でもメンバーの主体性を高めることができる対話技術〜
1on1ミーティングで部下の考えを引き出すためには、上司がオープンクエスチョンを意識することが重要です。「はい・いいえ」で終わってしまうクローズドクエスチョンでは、部下の本音や自由な考えを引き出すことが難しいからです。
部下の本音を引き出す質問フレーズとして、以下のような例が挙げられます。
| モチベーションを引き出す質問 | 最近の仕事で、面白い・やりがいがあると感じていることはありますか? |
| 業務改善を促す質問 | より効率的に働くために、上司ができることはありますか? |
| キャリアに関する質問 | 将来どのような仕事にチャレンジしてみたいですか? |
| 心身の健康を気遣う質問 | 最近、ストレスを感じていることや困っていることはありますか? |
実践的な質問フレーズを用意し、部下が話しやすい雰囲気を作ることで、より有意義な対話へとつながります。
なお、こちらの記事では、社内キャリア面談に役立つ質問例を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
関連記事:※3月KW「キャリア面談 質問」
効果的な1on1ミーティングを実施するためには、上司自身が対話スキルを磨き続けることが不可欠です。1on1ミーティングは部下やメンバーの能力開発であると同時に組織開発手法でもあり、実施する上司側の自己成長も求められます。特に、以下の3つのスキルを意識して鍛えることが重要です。
社内で1on1ミーティングのチェック項目を作り、上司の対話力を確認するのもおすすめです。上司が継続して対話のスキルを向上させることで、部下が1on1ミーティングを無駄に感じず、心理的安全性の高い対話が実行できるようになります。
アンドアでは、体系的な育成プログラムの設計支援も行っています。詳細については、「対話を軸とした年間育成体系」の資料をご確認ください。

1on1ミーティングが部下から嫌われてしまったら、それは自社のマネジメントを見直すサインです。形骸化した1on1ミーティングは、部下の成長機会を奪い、自社に対するエンゲージメントを下げてしまう要因になっている可能性があります。
一方で、1on1ミーティングを単なるお話の場ではなく、上司と部下・メンバーの関係性を変容させる共創の場にしていければ、組織全体の風土を変えていくことも可能です。自社ならではの1on1ミーティングの目的を考えることで、対話によって新しい挑戦を生み出す文化を作っていきましょう。
山梨県出身。山梨でコミュニティカフェを経営後、人材組織開発コンサルティング会社に入社。 スタートアップから大手企業の若手・中堅向けリーダーシップ開発や組織の対話風土改革に尽力した後、新規事業開発部にて事業開発マネジャー、営業マネジャーを兼任。 自社内の事業構造改革から営業戦略・マーケティング戦略まで広く携わり、その知見を人材・組織開発へ転用することを得意としている。 モットーは、「本来の力が発揮できる対話力と環境づくりを引き出す」
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