従業員のモチベーションを向上させる取り組みとは何か、本記事ではモチベーションマネジメントの効果や具体的な施策を解説します。実際の企業で採用されている施策の事例も解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次
企業の離職率が増加したり、売上が低迷したりする要因には、従業員のモチベーション低下が関わっている可能性があります。モチベーションマネジメントとは、従業員のモチベーションを維持・向上させ、自発的な行動を喚起するマネジメント手法です。従業員の意欲が高まれば、生産性の向上が見込めます。
本記事では、モチベーションマネジメントとはどのような手法か解説します。モチベーションマネジメントが企業にもたらす効果や具体的な施策、検定もまとめているので、ぜひ参考にしてください。
アンドアでは、中堅社員や新任リーダー向けに「セルフ・リーダーシップ開発プログラム」を提供しています。周囲を巻き込み価値を創出したい方は、ぜひ資料をダウンロードしてみてください。

モチベーションマネジメントとは、従業員のモチベーション(動機づけ)に働きかけ、意欲を高めて自発的な行動や成果につなげるためのマネジメント手法です。仕事へのやる気や情熱など、モチベーションの源泉を把握し、従業員一人ひとりに適切に関わることで、能力の発揮や主体的な行動を促します。
適切なモチベーションマネジメントが実施されれば、人材育成や離職防止、組織の生産性向上などの効果が期待できます。モチベーションを高める要因は個人によって異なるため、価値観やニーズに寄り添ったアプローチが重要です。組織内の活動や施策を見直し、従業員のやる気につなげましょう。

従業員へのモチベーションマネジメントを行う上で重要になるのが、社員一人ひとりに対する動機付けの方法です。モチベーション研究の世界的権威であるエドワード・デシは自己決定理論において、従業員のモチベーションを決定する要素として「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」を提唱しました。
ここでは、モチベーションマネジメントに関わる2つの要素について解説します。
内発的動機づけとは、人の内面から湧き出る好奇心や熱意、探求心などの欲求に働きかけて、行動を促すアプローチです。内発的動機づけが成功すれば、評価や報酬などを得るためではなく、内から湧き出る欲求が原動力となります。行動そのものが目的となるため、モチベーションを長期間維持しやすくなります。
困難な問題に直面した際は、前向きに対処できる点もメリットです。ただし、従業員本人が関心を持つまでには多くの時間がかかるため、短期間での成果を求める場合は向いていません。
外発的動機づけとは、報酬や評価、罰則といった外的な働きかけで意欲を引き出すアプローチです。強い関心や興味がない従業員であっても、以下のような外発的動機づけが有効に働きます。
外発的動機づけは、短期的な成果を上げるために効果的な方法ですが、長期的にはモチベーションが持続しません。内発的動機づけと外発的動機づけを組み合わせることによって、より高い成果が得られます。

企業の成長には、従業員一人ひとりが高いモチベーションを保って働ける環境づくりが欠かせません。近年は働き方改革の推進により、モチベーションマネジメントの重要性が高まっています。
適切なモチベーションマネジメントを実施することで、組織全体のパフォーマンスや成果の向上につながります。モチベーションマネジメントが企業にもたらす効果は、以下の通りです。
モチベーションマネジメントによって従業員の仕事への意欲が高まり、自発的に業務に取り組むようになれば、一人ひとりのパフォーマンスが向上します。
その結果、少ない時間でより多くの成果を得られるようになる点がメリットです。組織全体の生産性や業務品質の向上につながり、企業の継続性や競争力も高まります。
適切なモチベーションマネジメントを実施すると、従業員が仕事や自身の役割にやりがいを感じやすくなり、離職率の低下や人材の定着につながります。厚生労働省の調査によると、離職の決め手となった理由のほとんど(男性:43.3%、女性:45.2%)がモチベーションの低下によるものでした。
従業員がモチベーションを高く維持できると、企業への愛社精神や貢献意欲が高まります。その結果、「この会社で長く働きたい」という意識が生まれ、定着率が向上します。離職率が低下すれば、ノウハウ蓄積による安定性・競争力の強化や、採用や教育にかかるコストの削減が期待できます。
モチベーションマネジメントは、企業イメージを向上させるためにも重要な取り組みです。従業員の意欲が高まると、企業全体としてのパフォーマンスが向上し、商品やサービスの品質向上にもつながります。その結果、顧客や取引先からの評価が高まり、企業イメージの向上が期待できます。
さらに、従業員のやりがいを重視する企業姿勢は、外部に対して好印象を与え、ブランド力や信頼性の強化にも寄与するでしょう。採用活動では、優秀な人材の確保にもつながります。

従業員のモチベーションが低下する原因は一つではなく、評価制度や職場環境、業務内容など、さまざまな要因が複雑に関係しています。原因を正しく理解しないままモチベーションマネジメントを行っても、十分な効果は期待できません。
ここでは、モチベーションが低下する原因について解説します。
給与や昇給、福利厚生、人事評価制度などの待遇に対する不満は、モチベーション低下の主な要因です。
自分の努力が正当に評価されなかったり、同僚との待遇に不公平感があったりすると、仕事への意欲を失いやすくなります。特に年功序列の企業では、業績への貢献度が評価に反映されにくい点が課題です。
上司や同僚との人間関係が希薄になると、孤立感や不安が強まり、仕事へのモチベーションが低下しやすくなります。特に現代はリモートワークの普及により、人間関係の構築が容易ではありません。
社内でコミュニケーションが取れていないと、誤解から仕事上のトラブルへと発展する可能性がある点にも注意が必要です。また、ハラスメントやいじめが横行するような職場環境では、モチベーションの維持そのものが難しくなります。
仕事内容にやりがいを感じられない場合も、モチベーションの低下を招きます。業務が単調で成長の実感がなかったり、配属前に期待していた仕事と乖離があったりすると、モチベーションを維持できません。
挑戦の機会を与えられず、毎日同じ作業をこなすだけでは、仕事の価値を見出せないでしょう。仕事内容に不満を抱えたままの状態を放置すると、いずれは生産性の低下や離職につながります。
業務量が多すぎると心身ともに疲弊していき、次第にモチベーションを失っていきます。残業が多いせいで十分に休息が取れないと、疲労の蓄積によってミスが増えていき、自信の損失にもつながりかねません。
また、プライベートの時間を確保しづらくなるのも、過度な業務量がモチベーションを奪う一因です。特にプライベートを生きがいとしている方にとっては、仕事の意義を見出すのが難しくなります。
仕事内容や企業に将来性を感じられないと、モチベーションを維持するのは困難です。従業員は、会社がどこに向かっているのかが見えない場合、目的意識が持てずに不安を抱えやすくなります。
また、キャリアの中長期的な計画がなかったり、知識やスキルを高める機会が設けられていなかったりすると、自身の将来像が描けません。不安を抱えたままでは、モチベーションを保つことが難しくなります。

モチベーションマネジメントでは、モチベーションを下げる原因に焦点を当てた施策が必要です。まずは現状のモチベーションを調査し、従業員一人ひとりが感じている課題を洗い出します。従業員のモチベーションが把握できたら、内発的動機づけと外発的動機づけの両面で施策を検討しましょう。
ここでは、モチベーションマネジメントにおける効果的な施策を解説します。
従業員が持つスキルや経験、能力に見合った部署・チームに配属すれば、従業員が企業に対して抱く貢献度が高まり、モチベーションの向上につながります。適切な人材配置の手順は、以下の通りです。
従業員のモチベーションを上げるには、本人の希望を踏まえた人材配置が欠かせません。アンドアは、中堅社員や新任リーダーに向けた「セルフ・リーダーシップ開発プログラム」を提供しています。具体的なリーダー像を明らかにしたい方は、ぜひ資料をダウンロードしてみてください。
従業員の努力が報われるような人事評価制度を拡充すれば、従業員は成果に見合った評価や待遇が受けられるようになり、モチベーション向上が期待できます。制度を見直すポイントは、以下の通りです。
人事評価制度が決まったら、従業員向けに研修を実施して広く周知しましょう。
社内コミュニケーションの活性化は、良好な人間関係を形成し、モチベーションの向上のみならず、業務の効率化や情報共有を促進します。社内コミュニケーションを活性化する方法は、以下の通りです。
現状を把握した上で、自社に合った施策でコミュニケーションの活性化を図りましょう。企業研修でコミュニケーション能力を強化したい方は、こちらの記事もチェックしてみてください。
関連記事:※2月KW「企業研修 コミュニケーション」
モチベーションマネジメントでは、最適な目標設定のサポートも重要な施策の一つです。従業員の目標が高すぎる場合は、モチベーションの低下につながります。能力に見合った目標が設定できれば、将来を描きやすくなるでしょう。キャリア開発の目標例が知りたい方には、こちらの記事もおすすめです。
関連記事:※3月KW「キャリア開発 目標 例」

ここでは、モチベーションマネジメントを実践した他社の施策事例を3つ紹介します。
サンクスカードは、従業員同士で感謝や称賛を送り合うモチベーションマネジメントの施策です。
株式会社メルカリでは、四半期ごとのサンクスカード文化を経て、感謝・称賛と同時にインセンティブを送り合えるメルチップの導入に至りました。結果として、従業員の意欲向上に大きく貢献しています。
参照:贈りあえるピアボーナス(成果給)制度「mertip(メルチップ)」を導入しました。|mercan(メルカン)
株式会社資生堂は、モチベーションマネジメントの一環として「カンガルースタッフ制度」を導入しています。
カンガルースタッフ制度とは、従業員が育児時間を取得している不在時に、カンガルースタッフが後方業務を行う仕組みです。制度の導入によって、従業員は子育てと仕事を両立しやすくなります。
小林製薬株式会社が実施している「ホメホメメール」は、称賛に値する行動を取った従業員に、社長が直接メールを送る制度です。
社長から心のこもった言葉で日々の努力を認められると、モチベーションの向上につながります。内容はグループ報でも伝えられるため、主体性を促す施策として効果的です。

モチベーションマネジメントに関する資格には、モチベーション・マネジメント協会が認定する「公認モチベーション・マネジャー」があります。資格の勉強や研修を通して、モチベーション管理の知識が学べます。ただし、資格や検定に頼る前に、まずは小さな実践から始めてみてください。
参照:公認モチベーション・マネジャー|モチベーション・マネジメント協会

従業員のモチベーションは評価・待遇への不満や、人間関係の悪化などによって低下していきます。そのため、企業の生産性や競争力を強化するには、従業員一人ひとりに合ったモチベーションマネジメントが欠かせません。
まずは現状のモチベーションを把握し、それぞれの課題に合った施策を検討しましょう。モチベーションマネジメントで効果的な施策として、適切な人材配置や人事評価制度の拡充などが挙げられます。
アンドアでは、「セルフ・リーダーシップ開発プログラム」をはじめ、チームのマネジメント力を高める研修プログラムを提供しています。興味がある方は、ぜひ資料をダウンロードしてみてください。
山梨県出身。山梨でコミュニティカフェを経営後、人材組織開発コンサルティング会社に入社。 スタートアップから大手企業の若手・中堅向けリーダーシップ開発や組織の対話風土改革に尽力した後、新規事業開発部にて事業開発マネジャー、営業マネジャーを兼任。 自社内の事業構造改革から営業戦略・マーケティング戦略まで広く携わり、その知見を人材・組織開発へ転用することを得意としている。 モットーは、「本来の力が発揮できる対話力と環境づくりを引き出す」
評価制度だけを変えても不満が尽きない 時代に合わせて、評価制度を変えても、「評価が不透明」「評価に納得感がない」と社員からの声が出てしまっている。制度設計よりも、制度運用に課題があります。メンバーが「この会社だから成長で […]
20,000件のデータから見えたキャリア自律を阻む要因 どうしてキャリア研修をしても社員のキャリア自律は進まないのか?データ分析から判明した「自前調達」の罠と、社員の自律的挑戦を引き出す対話デザインの全貌を公開。 キャリ […]
職場の対話の質を高め、オーナーシップを発揮できる環境づくりを目指す診断ツールです。 エンゲージメントの向上やキャリア自律の促進など、人的資本経営を進めていくためには「対話」が欠かせません。 本診断では、日常的な対話の傾向 […]
企業の成長を遂げるためには、パーパス・理念を中心に据えた「チームのリ・ブランディング」が重要です。 本資料では、このリ・ブランディングを効果的に進めるための手法として、個々の違いを新しい価値として活かし、チーム全体のパフ […]
資料内容 「人的資本」や「エンゲージメント」の重要性が高まっている現代。キャリア形成においても、社員一人一人の具体的な方向性が求められています。パーパス浸透施策を通して、社員のパーパスを築く支援をする中で、多くの企業に共 […]
弊社は、貴社の課題に合わせてカスタマイズしたサービスをご用意いたします。
まずは気軽にお問い合わせ・資料請求をお願いいたします。