コーチングや企業内の課題解決をテーマに研修・ワークショップを実施する中で、
1on1はもっと時短で実施できるというコツが見えてきました。
「1on1は無駄だ。」「1on1をやっても意味がない。」と言われることが多くなってきた昨今、私たちは15分の1on1でも納得感を生み出すためのノウハウを解説していきます。
現在1on1は、実に70%の日本企業で導入されていると言われています。
一方で、1on1を実施することによって、課題が見えてきています。
日本の人事部の調査によると、1on1が成功するために最も重要な要素は「上司の傾聴力」であると言われています。現場の管理職の方々にお話を聞くと、「部下の話をしっかり聞いている!」と言われる方々も多いです。
実は、ここに部下と上司のギャップが存在しています。
ある調査によると、「会議の無駄」に関する具体的な課題感トップ3は以下のようになります。
- 会議の目的が明確ではない
- 定められた時間に終わらない
- やるべきことが決まっていない
会議の無駄を改善する上で困っていることは、「改善する方法がわからない」といっている方々が多いのが現状です。
2つの課題から、1on1の組み立て方がわからない。メンバーの話を聞けていない。という方々が多く、自分たちで問題を解決できない状況になってしまっていることがわかります。
その現状を打開するために、1on1の見直しが必要になっています。
1on1の見直しをしていくためには、「目的を明らかにして聴くことで納得感のある行動を生み出す」ための1on1の進め方を考えていくことが重要です。
アンドアは、そのフレームを「砂時計型1on1」としてまとめました。
砂時計の上側は、情報収集の幅を表しています。
会話の入り口は、テーマや情報も広く集めることによって、部下の興味関心を明らかにしていきます。
部下が自分から問題や課題を話し始めたところで、その課題に対して過去取り組んできたことや、成功した事例などを引き出していきます。
部下の中にあるリソース(過去の経験や人脈など)を明確にさせた上で、どのように課題解決を行なっていくのかを問いかけていきます。
ここでは、できるだけ短期的に解決できるようなアクションを引き出せるように問いかけの工夫が必要です。
アクションを実行していくために障害となる要素を取り除きつつ、期限を決めていきましょう。
上司から部下に対して提供できるリソースを提示することによって、部下のアクションをサポートします。
このように1on1のシンプルな4つの流れで進めることによって、
短時間でも成果が出せる1on1を実施することが可能になります。
1on1の型はご理解いただけたと思います。
ここからは、その1on1を実際に見つけていただくためのポイントをご紹介します。
アンドアの1on1見直しプログラムでは、 砂時計型1on1のモデルに沿って、ケースと実践を進めていきます。
今回のコラムでは、例題を一つお見せいたします。
先に進める前に、一度考えてみてください。
答えは出ましたでしょうか?
実際の研修で最も多くなる答えは、「B」の「最近どんな感じ?」です。
1on1をこれまで実施いただいた管理職の方々は、普段やっている姿をイメージいただいておりますので、最初の一言に使いがちなワードであると思います。
しかし、「最近どんな感じ?」は、抽象度が高く、対話を前に進めるまでに時間がかかってしまいがちです。
この問いでは、1on1に時間がかかってしまい、「時間がない」という課題につながるのは納得です。
時短1on1を実施するための答えは、「C」の「今日はこの時間でどんなことを話せたら理想的ですか?」です。
この問いかけによって、1on1に期待する内なる声を言語化し、相手とのゴールやニーズを合意することができます。
このように時短1on1を実施するためには、具体的かつ小さな合意を取れる問いが大切になってきます。
これを知らずに、1on1を進めることによって、「時間がない」「1on1を実施できない」といった課題が発生してしまっています。
では、時短1on1を実施していく上で、どのような点に注意したら良いのでしょうか?
時短1on1を実施するための4つのポイントをご紹介します。
1on1は2種類に分けることをお勧めします。
こってり系1on1とあっさり系1on1です。
こってり1on1は、期初やキャリア面談など節目節目で実施します。
60分など多めに時間を取り、キャリアビジョンや目標設定を言語化していく時間になります。
これは、年に数回で構いません。
日々の1on1は、あっさり1on1を実施していきます。
ご紹介してきた砂時計型1on1を使いながら、15分でアクションの微修正を行います。
また、上司からもアクションの提案も織り交ぜていくことで、成長実感を言語化していく機会になります。
マネジャーの1on1研修は、1on1のやり方を学ぶだけではなく、1on1の中で使う言葉を整理することも重要になります。
理念というのか、ビジョンというのか、会社ごとに違いがあります。
部下の本音を引き出し、アクションを引き出すためには、どのような言葉を使うのかを意識して、ブラッシュアップしていきます。
1on1の研修を行なって終わり。ではなく、研修外での練習も重要になります。
砂時計型1on1モデルを使いながら、時短1on1を繰り返しトレーニングすることによって、どのような部下が来ても対応できるようにブラッシュアップしていきましょう。
また、このトレーニングを通して、上司の方々が1on1を実施する自信と成長実感を作っていきましょう。
1on1をトレーニングすることに合わせて、目標設定の基本を見直すこともお勧めしています。
日々の1on1を浸透させるためには、「評価のための目標設定」から「成長のための目標設定」に変えていくことが重要です。
評価研修やフィードバック面談のトレーニングだけではなく、1on1トレーニングの中で、目標設定・OKRやKPIなどの取り扱いについて学び直すことによって、部下の成長に焦点を当てた目標管理を実施していくことができます。
それによって、部下自身が自分の成長と目標を繋げて、再現性ある持論を持てるように支援していきます。
「時間がない。」と言われてしまいがちな1on1を時短かつ納得感を生み出す形で実施するポイントについて解説してきましたが、いかがだったでしょうか?
1on1を導入する企業が増えているからこそ、意味ある1on1を現場で実施していただき、改めて経営・人事の意図に沿った企業成長を生み出す1on1ができるヒントになればと思っております。
アンドアは、1on1のセカンドオピニオンとして、ご相談いただいております。
1on1の見直し、導入をご検討の際には、お声がけください。
スターバックス、学習塾、リクルートを経歴し、大手・ベンチャーのカルチャーを経験。 人材組織開発コンサルティング企業で、自動車メーカー、食品会社、スタートアップ事業で企画、開発、講師を経験。 独自の理論「腹割り対話でつくる組織変革」を提唱。 モットーは「あした、また、がんばろう」と思えるチームを増やすこと。
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