マネジメントスキルとは?リーダーシップとの違いから具体的なスキル一覧も紹介

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マネジメントスキルについて、本記事では、定義や役割・リーダーシップとの違い、管理職に必要なスキルを解説します。マネジメントスキルを効果的に高める方法も紹介するので、人材育成の強化を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

現代のビジネス環境において、組織の目標を達成し成果を上げるためには「マネジメントスキル」が欠かせません。働き方の多様化やビジネス環境の変化に伴い、チームをまとめる管理職に求められる役割はますます重要になっています。

本記事では、マネジメントスキルやリーダーシップとの違い、カッツモデルに基づく3つの必須スキルについて解説します。マネジメントスキルを効果的に高める方法もまとめているので、ぜひ参考にしてください。

マネジメントスキルとは

マネジメントスキルとは、組織を円滑に運営し、設定した目標を達成するために求められる能力全般のことです。

単なる管理や監督ではなく、組織の目標を達成するために「ヒト・モノ・カネ・情報」といった経営資源を効果的に配分し、PDCAサイクルを継続的に回しながら成果を最大化する戦略的な活動を意味します。

マネジメントの定義と役割

経営学者であるピーター・F・ドラッカーは、マネジメントを「組織に成果をもたらすための道具・機能・機関」と定義しています。また、マネージャーについては、肩書きや役職の有無に関係なく「組織の成果に責任を負うすべての人」であると再定義しました。

彼が提唱するマネジメントの役割は、以下の3つに集約されます。

  • 自らの組織に特有の使命(ミッション)を果たすこと
  • 仕事を通じて働く人を生かすこと
  • 社会の問題解決に貢献すること

つまり、マネジメントとは単なる業績管理のテクニックではなく、組織・人・社会を包括的に成長へと導くための仕組みだと考えられます。

マネジメントスキルとリーダーシップの違い

マネジメントと混同されやすい概念の一つがリーダーシップです。

リーダーシップが「方向性を示し、人(ヒト)を導く力」であるのに対し、マネジメントは「目標達成のための仕組みを整え、全資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を用いて成果を上げる力」である点で異なります。両者の具体的な違いは、以下の通りです。

リーダーシップマネジメントスキル
本質的な役割組織の方向性を示し、変革を促す組織の仕組みを整え、目標達成を確実にする
働きかけるもの人の心や意欲(モチベーションやエンゲージメント)業務の進め方や経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)

マネジメントとリーダーシップは相互に補完し合う概念です。組織の方向性だけが決まっていても実行する仕組みがなければビジョンは実現しません。反対に効率的な管理体制があっても進むべき方向性が定まっていなければ組織は迷走してしまいます。

マネジメントスキルを構成する「カッツの3能力」

マネジメントに必要なスキルは、ハーバード大学のロバート・カッツが提唱した「カッツ・モデル」によって、大きく3つに分類されます。マネジメントスキルを構成する3つの能力は、以下の通りです。

スキルの分類スキルの内容求められる階層
テクニカルスキル担当する業務分野の専門知識や実務能力・現場業務を直接指導するローアーマネジメント(係長・主任クラス)において特に重要度が高い
・階層が上がるにつれ、相対的な重要度が下がる
ヒューマンスキル部下や関係者と良好な関係を築く対人能力・全階層のマネージャーに共通して必要なスキル
コンセプチュアルスキル物事の本質を見抜く抽象的な思考力・トップマネジメント(経営層)になるほど重要性が増す

カッツ・モデルが示すように、マネジメントに必要なスキルの比重は役職や組織の階層によって変化します。マネジメントスキルを効果的に高めるためには、一人ひとりのポジションや将来のキャリア目標に合わせて、どのスキルを重点的に伸ばすべきかを明確にすることが大切です。

マネジメントに必要なスキル一覧

ここでは、カッツの3能力を踏まえ、現代のマネージャーに求められる具体的なスキルを紹介します。

目標設定スキル

目標設定スキルとは、内部・外部環境を踏まえて組織の進むべき方向性を示し、適切な目標を設定する能力です。組織全体の目標をチームや個人の具体的な目標に落とし込むことで、達成すべき成果が明確になり、メンバーの自発的な行動を促せます。

具体的には、以下のような目標設定スキルが求められます。

  • 何をもって成果とするか定義する
  • 期限や優先順位を明確にする

組織の成果を高めるためには、一人ひとりが自分の仕事が組織にどう貢献するのかを理解できるよう導くことが大切です。

プロジェクト管理スキル

プロジェクト管理スキルとは、スケジュールや予算、リスクなどを適切に管理し、期日通りに成果を出す実務管理能力です。チームの業務を計画通りに進め、品質や納期を守ることで、プロジェクトを目標達成へと導けます。

マネジメントの現場では、具体的に以下のような行動が求められます。

  • 業務の優先順位を決定する
  • メンバーのスキルや作業量を考慮して仕事を振り分ける

業務を確実に完遂させるためにも、部下に丸投げするのではなく、それぞれに応じた適切な進捗確認を行うことがポイントです。

コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルとは、部下や関係者と信頼関係を築き、円滑に業務を進めるための対人関係能力です。チーム内の風通しの良さは、メンバー同士の相互協力や目標共有を促進するための土台になります。

マネジメントに必要なコミュニケーションスキルとして、具体的に次のような行動が挙げられます。

  • 1on1ミーティングで部下の話を傾聴する
  • 気軽に相談や質問ができる雰囲気を作る

コミュニケーションスキルは、心理的安全性を担保し、円滑な組織運営を実現するうえで欠かせません。

管理職向けのコミュニケーション研修に興味がある方は、こちらの記事も参考にしてください。

関連記事:※2月KW「企業研修 コミュニケーション」

コーチングスキル

コーチングスキルとは、対話や問いかけを通じて相手が「自分の力で答えを導き出すこと」をサポートする人材育成手法です。マネジメントの現場において、コーチングスキルは、相手の潜在的な能力や可能性を最大限に引き出し、自律性や主体性を育む目的で用いられます。

コーチングは、主に3つの能力を総合的に用いて実践します。

  • 相手の言葉に耳を傾ける「傾聴力」
  • 気づきを与える「質問力」
  • 行動や成果を認める「承認力」

マネジメントの現場において、コーチングは自ら考えて行動できる人材を育成するために欠かせない能力の一つです。

コーチングスキルを高めるためには、弊社アンドアが提供している「砂時計型1on1プログラム」がおすすめです。コーチングベースの1on1を通じてチーム全体のパフォーマンスを向上させる手法について説明しているので、ぜひご確認ください。

アセスメント・人材育成スキル

アセスメント・人材育成スキルとは、メンバーの能力や性格を客観的に把握・評価し、成長を支援するスキルです。一人ひとりに適した業務を割り振り、適切なフィードバックを行うことで、組織全体のパフォーマンス向上につながります。

具体的には、以下のような実践が求められます。

  • 対話を通じて将来の希望や得意分野を理解する
  • 具体的な事実に基づいたフィードバックと成長機会を提供する

中・長期的な視点で組織の人材基盤を強化し、次世代のリーダーを育成することもマネージャーの重要な業務の一つです。

こちらの記事では、部下をマネジメントする具体的なステップや注意点を詳しく解説しています。

関連記事:※3月KW「マネジメント 部下」

問題解決スキル

問題解決スキルとは、状況を客観的に分析し、課題の原因を特定して適切な解決策を導き出す論理的思考力です。業務上のトラブルや課題に直面した際は、感情や思い込みではなく、事実に基づいて的確な判断を下す必要があります。

具体的には、次のような手法で問題解決を図ります。

  • フレームワークを活用して問題を体系的に整理する
  • ファシリテーションで意見を引き出して合意形成を図る

マネージャーにとって、問題解決スキルは組織を正しい方向へ導き、問題を円滑に解決するために欠かせない能力です。

マネジメントスキルを効果的に向上させるポイント

ここでは、組織として、またマネージャー個人としてマネジメントスキルを習得・向上させるための具体的なアプローチを解説するので、ぜひ参考にしてください。

心理的安全性を担保してチーム力を向上させる

マネジメントスキルを向上させ、チームの力を引き出すためには、心理的安全性の高い職場環境をつくることが重要です。「言いたいことがあっても黙っておいたほうがよい」と感じさせる同調圧力を排除することで、メンバーの自発的な行動や相互協力が促されます。

具体的には、失敗を恐れずに懸念を伝えられたり、わからないことを素直に質問できたりする環境づくりが必要です。日頃からの気軽なコミュニケーションを土台にお互いの仕事を助け合う風土を作り上げましょう。

心理的安全性が確保された組織では、積極的な行動が生まれやすく、チームのパフォーマンス向上にもつながります。

ティーチングとコーチングを効果的に使い分ける

人材育成の場では、「ティーチング」と「コーチング」を適切に使い分けることが大切です。一人ひとりの知識レベルや経験、指導の目的に応じてアプローチを変えられると、育成の効果が高まります。

例えば、新入社員や緊急度の高い業務では、知識・ノウハウを直接教える「ティーチング」が有効です。一方で、中堅社員に対しては、問いかけで自らの答えを引き出す「コーチング」を用いることで主体性を育みましょう。

ティーチングとコーチングを状況に応じて使い分けることで、部下の成長と自律性の育成を両立させられます。

アンドアでは、コーチングベースの1on1を学び直すための「砂時計型1on1プログラム」を提供しています。課題に合わせてプログラムをカスタマイズすることも可能なので、ぜひ資料で詳細をご確認ください。

研修・eラーニングを活用する

マネジメントスキルを高めるためには、社内外のマネジメント研修やeラーニングを活用し、体系的な知識のインプットを行うことも有効です。自学自習だけでは限界があるため、外部の客観的な視点や体系立てられた知識を取り入れる必要があります。

外部セミナーに参加して最新知識をアップデートしたり、忙しい管理職でも隙間時間で学べるeラーニングを活用したりしてマネジメントの基礎や業界の動向を学ぶとよいでしょう。多様な学習機会を通じて知識をアップデートし続けることが、より着実なマネジメントスキル向上につながります。

人材育成の具体的な手法について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

関連記事:※3月KW「マネジメント 人材育成」

実践とフィードバックを繰り返す

インプットした知識は、実際の業務で実践し、1on1などを通じて客観的なフィードバックを受けて初めて定着します。知識を持っているだけでは意味がなく、実践を通じた成功や失敗、他者からの評価を基に改善のPDCAサイクルを回すことが大切です。

また、フィードバックは、SBIモデル(Situation:状況、Behavior:行動、Impact:影響)などのフレームワークを活用し、具体性を持って伝えることがポイントです。「Situation(状況)」「Behavior(行動)」「Impact(影響)」の順序で伝えることで、納得度が高まります。結果だけでなく、日々の努力やプロセスにも目を向けて、継続的に実践とフィードバックを繰り返しましょう。

フィードバックにおける具体的なチェックポイントについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

関連記事:対話型フィードバック面談の極意〜7つのチェックポイントで部下の可能性を引き出す〜

まとめ

マネジメントスキルは、組織の経営資源を効果的に活用し、目標を達成するために欠かせません。カッツモデルに基づく「テクニカルスキル」「ヒューマンスキル」「コンセプチュアルスキル」を一人ひとりの階層に合わせてバランス良く鍛えることがポイントです。

マネージャーがコーチングやコミュニケーションスキルを身につけ、組織全体で心理的安全性の高い環境を構築できると、従業員のパフォーマンスを持続的に高められます。

本記事で紹介したマネジメントスキルや向上のためのポイントを参考に、日々の実践とフィードバックを繰り返し、自社の組織力強化と人材育成に役立ててください。

執筆者

松本 悠幹

山梨県出身。山梨でコミュニティカフェを経営後、人材組織開発コンサルティング会社に入社。 スタートアップから大手企業の若手・中堅向けリーダーシップ開発や組織の対話風土改革に尽力した後、新規事業開発部にて事業開発マネジャー、営業マネジャーを兼任。 自社内の事業構造改革から営業戦略・マーケティング戦略まで広く携わり、その知見を人材・組織開発へ転用することを得意としている。 モットーは、「本来の力が発揮できる対話力と環境づくりを引き出す」

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