管理職研修の事例10選!中小企業におすすめのネタや階層別の事例も解説

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管理職研修の事例を参考にしたい方に向けて、目的や重要性を解説するとともに、企業で実施されている具体例を紹介します。階層別の研修内容やおすすめテーマ、成功のポイントもまとめているので、自社に最適な研修設計の参考にしてください。

管理職研修とは、企業の管理職(係長・課長・部長など)を対象に行われる研修です。管理職に求められるスキルは、部下の育成やマネジメント力、コーチングなど、階層によって異なります。企業が競争力を維持しながら成長し続けるには、管理職の育成が欠かせません。

本記事では、中小企業や大企業における管理職研修の事例を紹介します。管理職研修におすすめのテーマやネタ、研修を成功に導くポイントもまとめているので、ぜひ参考にしてください。

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管理職研修の目的・重要性

著しく市場環境が変化するなか、管理職は企業の成長を支える中核として重要な役割を担います。マネジメントの難易度は以前よりも高まっており、事業の成功には管理職の早期育成が欠かせません。

ここでは、管理職研修の目的や重要性を3つ解説します。

管理職の役割認識

管理職研修の目的の一つは、管理職としての役割を正しく認識させることです。一般社員は個人の成果が重視される一方で、管理職にはチームを束ね、組織として成果を上げる役割が求められます。

しかし、プレイヤー時代の成功体験から意識を切り替えられず、「自分でやったほうが早い」と抱え込んでしまう管理職も少なくありません。その結果、部下育成や組織運営がおろそかになる可能性があります。研修を通じて管理職に求められる役割を理解し、判断力やマネジメント視点への意識転換を促しましょう。

マネジメントスキルの習得

管理職には、業務管理力やコミュニケーション力、部下育成力など、幅広いマネジメントスキルが求められます。しかし、これらは経験だけで自然に身につくものではありません。

管理職研修では、ケーススタディやディスカッションを通じて管理職に必要な知識や考え方を体系的に習得できます。また、リスクマネジメントや人員配置、業務プロセスの見直しといった応用力も養われます。環境の変化に対応し、組織として安定した成果を出すには、管理職の継続的なスキル向上が重要です。

なお、部下の育成に必要なマネジメントスキルを習得したい方には、こちらの記事もおすすめです。

関連記事:※3月KW「マネジメント 部下」

組織全体の生産性向上

管理職研修の重要な目的として、組織全体の生産性向上が挙げられます。管理職は意思決定の中核を担い、判断の質が組織の方向性や成果を左右するのが特徴です。研修を通じて状況把握力や論理的思考力、判断力を高めることで、的確な意思決定と明確な目標設定が可能になります。

また、部下との連携や情報共有が円滑になり、業務効率や品質も底上げされます。適切な評価や人材育成によって部下の意欲を引き出せれば、チームの力を最大限に発揮し、生産性の向上も期待できるでしょう。

なお、生産性の向上につながるリーダーシップを学びたい方には、こちらの記事もご覧ください。

関連記事:※4月KW「リーダーシップ コミュニケーション」

【中小・大企業】管理職研修の事例7選

管理職研修の重要性を理解しても、具体的な設計方法がわからないと悩む担当者は多いのではないでしょうか。企業の成功事例を参考にすれば、企業が抱える課題や悩みに応じた管理職研修を設計できます。

ここでは、中小企業から大企業まで他社で行われている管理職研修の事例を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

1.セイコーエプソン株式会社

セイコーエプソン株式会社は、各階層に向けたパワーハラスメント防止研修を実施しています。管理職にとっては、パワーハラスメントによる影響の大きさを理解し、事案の共有やディスカッションを通じて対策を考える重要な機会です。なお、2015年度からは、アンガーマネジメント研修も実施されています。

参照:働く環境 サステナビリティ|セイコーエプソン株式会社

2.大成建設株式会社

大成建設株式会社は、次世代リーダー向けにリベラルアーツ思考ビジネスプログラムを導入しました。新任部長が、答えのない問いに向き合い、難局を乗り越えられるようビジネス創造力を養うことが目的です。研修では受講者が事前に講義動画をインプットしたうえで、受講者同士のグループワークが行われます。

参照:大成建設、ドコモgaccoの「リベラルアーツ思考ビジネスプログラム」を導入|大成建設株式会社

3.積水ハウス株式会社

積水ハウス株式会社は「積水ハウスウィメンズ カレッジ」を設立し、約2年間のカリキュラムを通して、女性管理職を育成しています。2006年にはグループ全体で15名だった女性管理職が、2025年には400名以上にまで増加しました。研修では、主に経営視点を養うスキルやマネジメント力などを学びます。

参照:女性管理職候補者研修「積水ハウス ウィメンズ カレッジ」|積水ハウス株式会社

4.株式会社オカムラ

株式会社オカムラは、グループ会社に所属する課長職以上の管理職を対象に「人が活きるマネジメントワークショップ」を実施しました。初日は受講者が最新のマネジメント論を理解し、自分事として考える機会を設けています。2日目は、各職場での具体的な取り組みを考えるグループワークを実施しています。

参照:オカムラグループの人財戦略|株式会社オカムラ

5.株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ

三菱UFJ銀行は、本部管理職の約2,200名を対象にDX推進人材育成研修「BASE研修」を実施しました。BASE研修の最大の目的は、DXを自分事として捉えることです。参加者はChatGPTを活用したマクロ作成や、業務フローの作成などを通して、普段の業務で役立つ実践的なスキルを習得できます。

参照:全行員が変革を主導する時代へ|株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ

6.NECソリューションイノベータ株式会社

NECソリューションイノベータ株式会社は、新任管理職向けの1on1研修や、全組織長向けのコーチング研修を実施しています。全社員の公用語である1on1は、上司と部下で行う対話を意味します。将来のキャリアや目的達成を促すコーチングなど、社員の成長支援に重きを置いたコミュニケーションを実践している事例です。

参照:キャリア自律への取り組み:社会との関わり|NECソリューションイノベータ株式会社

7.株式会社メルカリ

株式会社メルカリは、全マネージャーが対象の独自研修プログラム「無意識バイアスワークショップ」を実施しています。無意識バイアスとは、無意識化で培われた思い込みや偏見です。研修を通じて無意識バイアスを日常的に意識する習慣を身に付け、個人の成長や適切な意思決定につなげます。

参照:「無意識(アンコンシャス)バイアス ワークショップ」の社内研修|株式会社メルカリ

【階層別】管理職研修の事例3選

管理職研修は、階層によって目的や内容が異なります。初級管理職研修では、部下の能力開発や、リーダーシップが重要なテーマです。中間管理職研修では、マネジメント能力やチームビルディング、上級管理職研修では、戦略立案やリスクマネジメントを中心に取り扱います。

ここでは、他社で行われている管理職研修の事例を3つの階層別に紹介するので、ぜひ参考にしてください。

1.新任管理職研修の事例|日清食品ホールディングス

日清食品ホールディングス株式会社は、瀬戸内海の無人島で2泊3日の新任管理職研修を開催しています。

研修の目的は、電気のない生活を想定したサバイバル研修を通じて、一人で生き抜く力を養い、身体的・精神的に成熟した管理職を育成することです。各自で寝床の確保や食料調達などを行うなど、独創的なプログラムとなっています。

参照:「骨太の管理職育成」無人島サバイバル研修|日清食品グループ

2.中間管理職研修の事例|ヤマハ株式会社

ヤマハグループでは、環境変化に適応できるミドルリーダー(基幹部門長)を育成するために、対話型研修を実施しています。研修の目的は、従来の指示待ち風土から脱却し、自らの内発的動機で組織を動かす「インサイドアウトのリーダーシップ」の習得です。

受講者同士で討論を重ねながら、一人ひとりが「自分らしいリーダー像」を深め、研修後は現場に体験を還元することで、社内に変革と対話の文化を波及させています。

参照:人材育成|ヤマハ株式会社

3.上級管理職研修の事例|東急株式会社

東急株式会社は、次世代を担う経営人材の能力・スキルを育成し、グループ全体の組織力を高めるための選抜型研修「東急アカデミー」を実施しています。

研修の目的は、新しい社内風土を醸成するための指針として策定された「東急バリュー(顧客価値・共創・挑戦)」を組織に浸透させ、「高い志を持ち、自ら考え、主体的にやり抜く」風土を牽引する経営者として成長することです。研修では、東急グループ各社から集まった受講生同士が互いに啓発し合いながら、グループの理念を実現するための学びを深めます。

参照:東急100年史|東急株式会社

管理職研修におすすめのテーマ・ネタ3選

管理職研修のテーマは、現状の課題や目標、受講者のレベルに合っているかを踏まえて検討しましょう。管理職に求められるスキルは多岐にわたりますが、実務に活かせなかったり、難易度が高過ぎたりすると、十分な研修効果が期待できません。また、時代や市場の変化に応じたテーマを選定することもポイントです。

ここでは、管理職研修におすすめのテーマ・ネタを3つ解説します。

1.チームビルディング

チームビルディングとは、メンバー一人ひとりの強みやスキルを引き出し、相互に連携させながらチームとして最大の成果を生み出すための取り組みです。単なるチーム作りにとどまらず、自己理解や相互理解を深めることによって、チームの目標やビジョンに対して主体的に向き合えるようになります。

管理職に対するチームビルディング研修では、主に以下のような内容を学びます。

  • チーム内でのコミュニケーションスキル
  • リーダーとしての役割認識
  • 目標設定や管理のスキル
  • 心理的安全性の確保

チームビルディング研修の実施は、チームや組織全体として成果を高めたい場合に効果的です。なお、マネジメントにおけるチームビルディングの理解を深めたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

関連記事:※4月KW「マネジメント チームビルディング」

2.リーダーシップ

チームワークの強化は、組織の成果を最大化するうえで欠かせないテーマです。管理職には、メンバー同士の信頼関係を築き、共通の目標に向かって協働できる環境を整える役割が求められます。そのためには、目まぐるしく変化するビジネス環境下でも新しい方向性を示すリーダーシップが重要です。

リーダーシップは先天的なものではなく、管理職研修によって習得・強化が可能です。管理職が高いリーダーシップを持っていると、周囲を巻き込み、組織全体のパフォーマンス向上につながります。

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3.ハラスメント・コンプライアンス

管理職には、法令遵守や社内規程の理解に加え、パワハラやセクハラの判断基準、情報漏えい、過重労働などのリスクに適切に対応する力が求められます。研修では、具体的なケーススタディを通じて「何が問題で、どう対処すべきか」を実践的に学びます。

また、部下の異変に気づく観察力や、問題を早期に共有・対応する体制づくりも重要です。倫理観に基づいた判断力を養い、組織全体におけるコンプライアンス意識の向上につなげましょう。

事例から学ぶ!管理職研修を成功に導くポイント

管理職研修は、管理職が必要なスキルを養う機会になります。しかし、目的意識を持たずに受講しても、期待した効果は得られません。また、実務ですぐに活かせるようなカリキュラムの設計も重要です。受講して終わりではなく、その後のフォローまで考慮した設計をすれば、学びの定着につながります。

最後に、管理職研修を成功に導くポイントを解説するので、ぜひ参考にしてください。

研修の目的を明確にする

管理職研修の学習効率を上げるためには、研修の目的を明確にしましょう。「なぜ今研修が必要なのか」「何を改善したいのか」を整理し、研修後に期待する行動変化を具体的に設定する必要があります。

目的が曖昧なままでは、表面的な内容にとどまり十分な効果は得られません。リーダーシップや専門知識の習得など、現場の実態を踏まえて目標を明確にすることで、成果につながる研修を実現できます。

実践的なカリキュラムを設計する

管理職研修では、実務に直結する実践的なカリキュラム設計が重要です。

座学だけでなく、ケーススタディやロールプレイを取り入れることで当事者意識が高まり、学びを行動につなげやすくなります。さらに、自社の課題や実例を反映させれば、現場での再現性も高まります。

管理職といっても企業ごとに求められる役割が異なるため、組織の方針や現場の課題に即した内容に絞りましょう。

振り返りと定着の施策を講じる

管理職研修は受講して終わりではなく、その後の振り返りと定着のための施策が必要です。研修直後に学びを整理し、実務での活用計画を立てることで、行動変容につなげやすくなります。

具体的には、上司との面談や受講者同士の共有会、ディスカッションなどを通じて内省やアウトプットの機会を設ける施策が有効です。また、フォローアップ研修や360度評価などで成果を可視化し、継続的に改善していく仕組みを整えることで、学びの定着と組織全体の成長を促進できます。

まとめ

管理職研修とは、企業の管理職を対象に行われるマネジメント力やコーチングなどに関する研修です。管理職としてのスキル向上だけでなく、組織全体の生産性を向上させる重要な役割を担います。

管理職研修のテーマを選ぶ際は、さまざまな企業の成功事例を参考にして、現状の課題や目標、受講者のレベルを踏まえて検討してください。また、研修後は振り返りと定着の施策を実施して、研修効果を高めましょう。
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執筆者

松本 悠幹

山梨県出身。山梨でコミュニティカフェを経営後、人材組織開発コンサルティング会社に入社。 スタートアップから大手企業の若手・中堅向けリーダーシップ開発や組織の対話風土改革に尽力した後、新規事業開発部にて事業開発マネジャー、営業マネジャーを兼任。 自社内の事業構造改革から営業戦略・マーケティング戦略まで広く携わり、その知見を人材・組織開発へ転用することを得意としている。 モットーは、「本来の力が発揮できる対話力と環境づくりを引き出す」

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