キャリア面談で話すことがないと感じている方に向けて、本記事では、目的やポイントなどを解説しています。キャリア面談の質問例やおすすめの役立つ資料も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
部下から「話すことがない」と言われてしまい、キャリア面談が形骸化してしまうケースは少なくありません。充実した面談を実現するためには、事前の準備や質問の工夫、日ごろからの対話の積み重ねが大切です。
本記事では、キャリア面談で話すことがないと言われてしまう原因や実施の流れ、成功のポイント、そして具体的な質問例を紹介します。キャリア面談を充実した機会にしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

キャリア面談とは、管理職や上司が部下の中長期的なキャリア形成に関して話し合う面談です。キャリア面談の主な目的は、部下がキャリアの方向性を自ら考え築いていく「キャリア自律」の促進です。キャリア面談が注目されている背景には、以下のようなビジネス環境の変化があります。
キャリア面談は、部下が主体的に自身の強みや価値観を見つめ直す時間です。単なる情報交換や表面的なコミュニケーションに終始しないように、相手の意見を尊重する「対話」の姿勢を大切にしましょう。
社員のキャリア自律の支援については、以下の記事も参考にしてください。
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キャリア面談の実施にあたって、部下から「話すことがない」と言われてしまうことを心配している方もいるでしょう。キャリア面談が充実しない理由について解説するので、準備の参考にしてください。
キャリア面談で話すことがないと言われてしまう原因として、質問内容が明確になっていないことが挙げられます。質問内容が具体的に決まっていなければ、部下としてもどのように答えるべきか迷ってしまいます。相手に合わせて、事前にしっかりと質問内容を決めておきましょう。
また、普段あまりコミュニケーションを取っていない上司から急に「どうしたいの」と問われても、自由な発言はなかなかできません。日ごろから部下の話をしっかりと聞き、キャリア面談を「無理に話さなければならない場」にしない雰囲気づくりも大切です。
上司からの話がメインになってしまっていることも、部下から「話すことがない」と思われてしまう要因です。説教や業務に関する伝達の場になってしまっていては、部下からの自由な発言を引き出せません。
管理者や上司が想像する以上に、面談では部下の話す割合が少なくなりがちです。強引な進行を続けていると、部下からの信頼は得られません。意識的に傾聴の姿勢を心がけ、自分が話すのではなく部下の考えを引き出すようにしましょう。

キャリア面談の成功には、基本的なステップを把握し、各段階のポイントを押さえて臨むことが大切です。以下で基本的な流れを解説するので、ぜひ参考にしてください。
キャリア面談の成功には、事前の準備が欠かせません。以下のようなポイントをまとめられるシートを用意し、面談対象の部下に事前に作成してもらいましょう。
ただし、キャリア面談に向けて準備すべきなのは部下だけではありません。上司も対象となる部下のキャリア情報を確認し、質問をまとめておくことが大切です。
社員の年次や状況によって、効果的な質問は異なります。部下からの発言をできるだけ引き出せるように、質問事項をまとめておきましょう。
面談当日は、部下が本音を話しやすいような雰囲気づくりを意識することが大切です。面談の場は、普段の執務スペースではなく、少し離れた会議室や別の場所がおすすめです。アイスブレイクで緊張をほぐしつつ、事前に記入してもらったシートの内容をもとに質問していきましょう。
部下にできる限り深く考えてもらうためには、質問の順番を「過去、現在、未来」の順で展開する方法も有効です。これまでのキャリアから将来へと思考を広げてもらうことで、より深い考えを引き出せます。
面談の最後には、目標に向けた課題や取り組みを整理し、次回の面談までにやるべきことを共有しましょう。
キャリア面談の後は、アフターフォローの徹底が欠かせません。やりっぱなしにしていては、面談の効果が発揮されず形骸化してしまいます。前回の面談で設定した課題や取り組みを無理なく実行できるように、定期的に進捗を確認しましょう。
進捗確認には、1on1ミーティングの実施もおすすめです。 1on1に限らず、普段の会話から「対話」を大切にし、部下が自律的にチャレンジしていけるような雰囲気づくりを心がけましょう。

キャリア面談は、予定どおりに実施するだけでは不十分です。以下で成功に向けたポイントを紹介するので、効果的な面談の実施に役立ててください。
キャリア面談では、「なりたい姿」を聞く意識を持ちましょう。いきなり「今後の目標は何」と質問されても、部下は返答に困ってしまいます。まずは「どうなりたいか」と理想の姿を共有し、実現のために何をすべきなのか、具体的な行動目標へ落とし込んでいく姿勢が大切です。
ただし、部下が将来像に迷っている場合は、上司が理想の姿を押しつけてはいけません。あくまでも「それなら、こうするのはどうか」と提案し、一緒に部下の「なりたい姿」を考える姿勢を持つことがポイントです。
キャリア面談においては、部下の心理的安全性を大切にしましょう。「心理的安全性」とは、組織の中で自分の考えや気持ちを安心して発言できる状態を指します。心理的安全性を確保できれば、部下の緊張がほぐれ、本音を話してもらいやすくなります。
心理的安全性を確保するためには、本人の話をしっかりと傾聴し、頭ごなしに否定しない姿勢が大切です。面談中の返答や態度に気を配り、希望や悩みを丁寧に聞くようにしましょう。また、短所ばかりではなく、長所やできたことにも注目してください。
キャリア面談では、無理に答えを出そうとしないことも大切です。部下が自ら考えて言葉にする作業や考えるプロセス自体に、キャリア面談の意味があるためです。質問に対してすぐに答えられなかったとしても、ヒントを与えたり無理に別の質問に移ったりするのは避けましょう。
答えを探している間の沈黙も、部下が自らを振り返っているプロセスの一つだと考え、急かさないようにしてください。部下が考える時間をしっかりと取り、わからないことがあっても一緒に考える姿勢を崩さない意識が、信頼関係の構築につながります。
部下に質問するときには、「なぜ」ではなく「どうする」の活用がポイントです。過去の行動について「なぜ」と質問されると、相手は無意識に委縮してしまいます。上司との面談で緊張している部下を、質問でさらに追い込まない意識が大切です。
例えば、過去の業務の失敗について「なぜできなかったのか」と聞かれると、ネガティブな気持ちになり思考を避けたくなってしまう人もいます。一方で、「次はどうすればよいと思うか」と質問したほうが、前向きに考えてもらいやすくなります。

充実したキャリア面談にするためには、事前に質問を考えておくことが大切です。以下でキャリア面談の質問例を紹介するので、準備に役立ててください。
これまでのキャリアの振り返りに役立つ質問の例は、以下の通りです。
| ・「これまでのキャリアを振り返って、最もやりがいを感じた仕事は何ですか」 ・「入社後に一番成長したと感じるのはどのような点ですか」 ・「過去に難しいと感じた仕事を、どのように乗り越えましたか」 ・「これまでの仕事の中で、自分の強みを最も発揮できたのはどのような場面でしたか」 ・「これまでの仕事を通じて、どのようなスキルが身についたと感じますか」 |
これまでの経験について整理し、今後の質問につながるように意識しましょう。また、「なぜ」ではなく「今後どのように」と未来志向の表現で統一し、前向きに答えやすいようにする工夫も大切です。
現在の業務に関する課題や不安を聞く質問の例は、以下の通りです。
| ・「現在の業務における課題や改善点は何だと思いますか」 ・「仕事をしていて『もっとこうすべきだった』と残念に思う瞬間はどのようなときですか」 ・「今の仕事で、うまくいっていないと感じることはありますか」 ・「今の業務量やペースについて、どのように感じていますか」 ・「職場環境に関して、気になっていることはありますか」 |
現在の業務について質問する際も、部下が責められていると感じないように気を付けて質問しましょう。
今後のキャリア目標や希望を聞くための質問例は、以下の通りです。
| ・「5年後や10年後に、どのような自分になっていたいですか」 ・「なりたい姿になるために、どのような課題があると思いますか」 ・「今後、挑戦してみたい仕事や役割はありますか」 ・「理想のキャリアに向けて、会社にサポートしてほしいことはありますか」 ・「どのようなスキルや経験を、これから積んでいきたいですか」 |
将来に向けた希望だけでなく不安についても安心して話せるように、最後まで傾聴の姿勢を忘れず丁寧に質問しましょう。

キャリア面談の実施においては、外部サービスの利用もおすすめです。以下で弊社アンドアが提供している資料や研修を紹介するので、ぜひご活用ください。
「【評価面談】『やるだけ無駄』から『この会社だから成長できる』実感を生み出す評価面談のやり方」では、部下の納得感を引き出す面談のやり方を紹介しています。時代の変化に合わせて評価制度を変えても、評価に対する納得感がなければ社員からの不満は尽きません。
従来型の一方通行のやり取りから双方向の対話へ面談を転換し、部下の成長意欲を引き出すきっかけになる資料です。具体的な内容については、以下から資料をダウンロードいただけるので、ぜひ参考にしてください。
【評価面談】「やるだけ無駄」から「この会社だから成長できる」実感を生み出す評価面談のやり方
「砂時計型1on1で実現するチームのリ・ブランディングと企業成長」では、企業の成長に欠かせない「チームのリ・ブランディング」を進めるための手法として「砂時計型1on1」を紹介しています。
パーパスや理念などの策定が必要と感じている方や、部下の行動変容につながる取り組みを求めている方におすすめの資料です。具体的な内容については、以下より資料をダウンロードいただけます。
砂時計型1on1で実現するチームのリ・ブランディングと企業成長
「データから見えたキャリア自律を促進する対話のデザイン」では、部下の「なりたい姿」の合意から始める面談スキルや対話の質向上施策などを、実際の導入事例を通じて紹介しています。
部下のキャリア自律につながる具体的なノウハウを紹介しており、キャリア開発研修の効果を高めるためにも活用可能です。具体的な資料は以下のページからダウンロードいただけるので、お気軽にチェックしてみてください。

キャリア面談を充実させるには、質問内容の事前準備や傾聴の姿勢、部下の心理的安全性の確保など、複数のポイントを意識する必要があります。「なりたい姿」を起点として過去・現在・未来の流れで対話を進め、部下がキャリアについて考えるサポートをしましょう。
面談後のアフターフォローを徹底すれば、部下のキャリア自律の継続的な支援につながります。本記事で紹介した質問例や実施の流れ、そして資料なども参考に、部下の成長につながるキャリア面談の実践につなげてください。
山梨県出身。山梨でコミュニティカフェを経営後、人材組織開発コンサルティング会社に入社。 スタートアップから大手企業の若手・中堅向けリーダーシップ開発や組織の対話風土改革に尽力した後、新規事業開発部にて事業開発マネジャー、営業マネジャーを兼任。 自社内の事業構造改革から営業戦略・マーケティング戦略まで広く携わり、その知見を人材・組織開発へ転用することを得意としている。 モットーは、「本来の力が発揮できる対話力と環境づくりを引き出す」
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