キャリア開発支援策を検討している方に向けて、7つの具体例を解説します。取り組むメリットや企業事例、ポイントもまとめているので、キャリア開発支援により社員のモチベーション向上を図りたい方は参考にしてください。
自社の成長には、社員1人ひとりのスキル向上が重要なため、キャリア開発支援は注目されています。しかし、キャリア開発支援を検討しているものの、自社に適した取り組みがわからず悩む方もいるでしょう。
社員が主体的に学ぶ習慣を身につけるためには、企業が実施可能な支援を整理し、自社に適した取り組みを見つけることが大切です。
本記事では、キャリア開発支援の概要や企業が取り組める具体例を解説します。取り組むメリットや企業事例、ポイントもまとめているので、キャリア開発支援により社員のモチベーション向上を図りたい方は参考にしてください。
アンドアでは、キャリア自律を促す支援を提供しています。現場での能力開発につなげる3つのフレーム学習を通して、キャリア開発支援を行いたい方は、「キャリアオーナーシップ開発プログラム My inc.」をご覧ください。

キャリア開発支援とは、企業が社員1人ひとりの自律的・主体的なキャリア形成をサポートする取り組みのことです。企業には、社員が描くキャリアプランを実現できるよう、面談や研修などの機会を提供して成長を支援する取り組みが求められています。
キャリア開発支援が求められている理由は、以下の3つです。
終身雇用・年功序列制度の崩壊により、雇用形態や働き方が多様化したため、企業は就労者が働きたいと思える環境を提供する必要性が高まっています。
企業の持続的な発展には、社員1人ひとりの自律的な成長が欠かせないことから、キャリア開発が注目されています。
キャリア開発支援とキャリア形成の違いは、以下の通りです。
| キャリア開発支援 | キャリア形成 | |
| 主体 | 企業 | 個人(社員) |
| 目的 | キャリア形成を支援する取り組み | 自分のキャリアを築く |
| 内容 | 研修制度・資格取得支援など | スキルの取得・経験の蓄積など |
キャリア開発支援とキャリア形成は、主体が異なります。キャリア形成は社員個人が主体となり、キャリアを築くためのプロセスです。
対して、キャリア開発支援は社員個人のキャリア形成を支援するための施策を実施する取り組みです。

キャリア開発支援は社員だけでなく、企業にも良い効果をもたらします。
ここでは、企業がキャリア開発支援に取り組むメリットを解説します。自社の成長につなげる取り組みを実施したい方は、参考にしてください。
企業がキャリア開発支援に取り組むことで、人材の確保が期待できます。キャリアを形成する支援の提供により、社員のエンゲージメントが高まるためです。
キャリアについて考える機会を与えるだけでなく、目標へ向けてスキルアップする機会を企業が提供することで社員は将来への不安を感じにくくなります。企業への信頼感も向上し、結果として貢献する意欲を高められるでしょう。
したがって、キャリア開発支援には社員が「この企業で長く働きたい」という気持ちを生み出し、離職防止につながるメリットがあります。
離職防止とキャリア自律について知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
企業がキャリア開発支援に取り組むことで、自社の生産性向上が期待できます。キャリア開発支援には、資格取得支援や研修制度などがあり、社員のスキルや知識を高められます。
例えば、最新の技術やトレンドにいち早く対応できるスキルを習得できる研修を実施することで、業務効率化が可能です。社員のパフォーマンスを高められるため、業務上のミスやトラブルの減少にもつながり、結果として企業の成長に寄与します。
キャリア開発支援は、企業のブランド価値を高めるうえでも必要な取り組みです。キャリア開発支援に注力することで、「成長を後押しする企業」という印象を与えられます。
就職や転職を検討するにあたって、働きながらどのように成長できるのかを重視している人も少なくありません。キャリア開発支援は、社員のキャリア形成を支援するため、スキルアップを望む人のモチベーションを高める要素といえます。
ブランド価値の高い企業は信頼を得やすく、採用競争力の強化につながり、優秀な人材の確保が期待できます。

キャリア開発支援の効果を高めるためには、自社に適した取り組みが大切です。
ここでは、企業が取り組めるキャリア開発支援策を7つ解説します。効果的な取り組みを実施したい方は、参考にしてください。
1on1ミーティングとは、上司と部下が1対1で行う面談のことです。業務に関する悩みやキャリアの方向性などを話し合えるため、企業が社員のキャリア形成を支援する取り組みとして活用されています。
1on1ミーティングを通じて、社員が将来のキャリアを考える機会を設けられることから、モチベーション向上につながる点がメリットです。
また、コミュニケーションが増えるため信頼関係の構築にもつながり、離職を防げます。
現状を把握するキャリア開発支援策には、スキルの可視化が可能なスキルマップ作成が有効です。
スキルマップとは、社員が保有しているスキルや知識、経験などを可視化した一覧表です。可視化により、個々の足りないスキルや課題が把握しやすく、適材適所の配置や効果的な人材教育を設計できます。
また、スキルマップを作成すると自身のスキルが適切に評価されていることを認識できるため、社員のモチベーション向上につながるメリットがあります。適切な目標設定によって、社員の成長意欲が刺激され、キャリア自律を促せるでしょう。
企業が研修やセミナーへの参加費用を、一部もしくは全額負担するキャリア開発支援制度です。外部研修やセミナーに参加することで、社内にはない専門的な知見や最新のノウハウを学べます。
学びたいという社員の意欲をサポートできるため、スキルアップとモチベーション向上が期待できます。社員が主体的にキャリアを形成するためには、自主的に学べる環境づくりが必要です。
また、スキルを習得することで組織の生産性を高められるメリットもあります。社員の自己学習をサポートできるよう、福利厚生を充実させるのもキャリア開発支援策として有効な手段です。
キャリア開発の研修内容について知りたい方は、こちらの記事をあわせて参考にしてください。
リスキリングとは、学び直しにより新たなスキルを習得することで、デジタル技術の発展やDXの推進を背景に注目されています。
企業がリスキリング支援を導入することで、自律型人材の育成が期待できます。リスキリングを通じて専門性の高い分野を学べる機会を提供することで、社員のキャリア形成の支援が可能です。
また、リスキリングでは講座の受講だけでなく、キャリア相談を受けられる場合もあり、キャリアプランを考えるきっかけにもなります。社員のスキル向上を図る取り組みとしてリスキリング支援を導入することも、キャリア開発支援の1つです。
キャリアアップや業務に関する資格取得を支援することも、キャリア開発支援の取り組みです。資格取得では、以下の支援策があります。
支援策の提供は、社員のモチベーションを高め、自主的に学ぶ意欲を引き出せる点がメリットです。資格取得は、自社の専門性を高めることにも直結するため、結果として企業成長に寄与します。
組織力を強化するためにも、資格取得支援は効果的な取り組みといえるでしょう。
キャリア開発支援策には、副業・兼業の推進もあります。副業・兼業を行うことで、本業では得られない経験やスキルを積めるため、社員のキャリア開発に良い影響をもたらします。
外部で得た経験やスキルは、本業に役立つケースもあり、業務の効率化を図れるといったメリットを得られます。また、社員が自身のキャリアについて考えるきっかけにもなるため、自律的なキャリア支援につながる場合もあるでしょう。
社員が自らスキルや経験を身につける仕組みを整えることも、キャリア開発支援策として有効です。
キャリア志向に応じて部署や業務を変更することで、社員のスキルの幅を広げられます。配置転換によって、社員は能力を発揮しやすい環境で、自身のキャリアプランに適した働き方ができるようになります。
個々の希望に考慮しながら配置転換を行うことで、モチベーション向上や人材定着につながる点もメリットです。新たな業務経験やスキルを習得できるうえに、これまでとは違った視点を持てるようになるため、社員の成長を促すきっかけにつながります。
社員にキャリアの希望を聞いたうえで、配置転換を検討するのもキャリア開発支援策の1つです。

ここでは、他社で実際に行われているキャリア開発支援の事例を紹介します。
事例を通じて、自社に適した取り組みを検討する際の参考にしてください。
参照:実践事例 変化する時代のキャリア開発の取組み|厚生労働省
SCSK株式会社では、社員のキャリア希望と会社の方針をすり合わせた人材育成を行っています。社員が将来の目的を考えながら働けるため、前向きに仕事へ取り組みやすくなる点が特徴です。
経営戦略と連携した人材を効率良く育成できるため、企業にとってもメリットがあります。また、同社では若手社員の育成として多様な研修を実施しています。
将来のビジネスや技術の変化に対応できるよう、IT基礎教育やビジネススキル、ヒューマンスキルなどの研修を行い、知識の取得を支援している点が特徴の事例です。
株式会社湖池屋では、年功序列を廃止して実力や役割に応じて評価・昇進できる人事制度を取り入れています。毎年の評価に基づき、昇降格・昇降給を決定している点が特徴です。実際に、同社では20代後半で次長になるなど、若くして上位職に就いている社員もいます。
若手のうちから昇給のチャンスがあるため、モチベーション向上につながっています。また、若手の活躍に触発されて、ベテラン社員へも良い影響をもたらしている事例です。
東京海上日動火災保険株式会社では、社員の見識や視野を広げて専門性を高めることを目的として、3〜5年単位でジョブローテーションを繰り返しキャリアを形成しています。職務・経験をベースに、本人の持つキャリアビジョンや希望する職務を把握し、適性を踏まえたうえでジョブローテーションを実施している点が特徴です。
また、同社では社員の中長期的なキャリア形成を後押しする目的として、自らの意思で希望するポスト・職務に挑戦できる人事制度も整備しています。本人のキャリア希望や適性を考慮して配置することで、能力を発揮しやすい環境を整えている事例です。

ここでは、キャリア開発支援に取り組むポイントを解説します。
キャリア開発支援の効果を最大化させて、自社の成長につなげたい方は参考にしてください。

キャリア開発支援に取り組む際は、企業が一方的に育成方針を決めるのではなく、社員自身がキャリア目標を考えられる環境づくりが重要です。キャリア自律を推進することで、社員のエンゲージメントを高められます。
例えば、1on1ミーティングを実施すると、社員が自身の強みや目的を整理しやすく、目指すべきキャリアを見つけられます。社員のキャリア自律促進は、長期的な人材育成や人材定着につなげるうえで欠かせません。
アンドアでは、キャリア自律を進めるためにキャリアの自分事化から行動デザインまでを1日で行うプログラムを実施しています。社員のキャリア自律を促す取り組みを実施したい方は、「キャリアオーナーシップ開発プログラム My inc.」をご覧ください。
My inc.の考え方と実践例については、こちらの記事で解説しています。
キャリア開発支援では、取り組む目的を全社員に共有し、共通認識を持つことが重要です。どのような目的で企業がキャリア開発支援に取り組むのか理解していなければ、社員はモチベーションを上げて参加できず、十分な効果を得られない場合があります。
そのため、社員が前向きに参加できるよう、キャリア開発支援の目的や意図の事前説明が必要です。キャリア開発支援の方針や目的を明確にし、共通認識を持つことで効果的に取り組めるでしょう。
キャリア開発支援に取り組む際は、制度を作って終わりにするのではなく、社員が継続して利用できるよう継続的な運用を心がけましょう。支援を行っても、社員が前向きに取り組めなければ効果は期待できません。
定期的に制度の活用率を分析したり、目的に適した成果を得られているか振り返ったりして、支援の在り方を改善することが大切です。継続的な運用を行い、社員のキャリア自律を促す体勢を整えましょう。

キャリア開発支援では、人材定着率や生産性の向上が期待できます。社員だけでなく、企業の成長にもつながるため、効果的な取り組みが重要です。
1on1ミーティングや資格取得支援など、キャリア開発支援の内容は多岐にわたります。目的や意図を明確にしたうえで、全社員が共通認識を持てるよう体制を整えることが取り組む際のポイントです。キャリア開発支援を継続的に運用し、自社の成長につなげましょう。
アンドアでは、キャリア自律を促す支援を提供しています。キャリア開発を自分ごととして捉えられる支援を実施したい方は、「キャリアオーナーシップ開発プログラム My inc.」をご覧ください。
山梨県出身。山梨でコミュニティカフェを経営後、人材組織開発コンサルティング会社に入社。 スタートアップから大手企業の若手・中堅向けリーダーシップ開発や組織の対話風土改革に尽力した後、新規事業開発部にて事業開発マネジャー、営業マネジャーを兼任。 自社内の事業構造改革から営業戦略・マーケティング戦略まで広く携わり、その知見を人材・組織開発へ転用することを得意としている。 モットーは、「本来の力が発揮できる対話力と環境づくりを引き出す」
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