組織開発の具体例とは?代表的なフレームワーク・手法や企業事例を解説

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組織開発の具体例が知りたい方向けに、代表的なフレームワークや手法を解説します。企業事例や進め方もまとめているので、組織開発の具体例をもとに自社に適した施策を検討したい方は参考にしてください。

組織開発を行うにあたって、どのように進めるべきか具体例がイメージできず悩む企業も少なくありません。組織開発に活用できるフレームワークや手法は多岐にわたり、自社に適していないものを取り入れても効果を得られない場合があります。進め方をイメージするためには、具体例を参考の上、施策を検討することが大切です。

本記事では、組織開発の代表的なフレームワークや手法の具体例を解説します。企業事例もまとめているので、自社に適した方法で組織開発を進めたい方は、参考にしてください。

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組織開発とは

組織開発は、働き方の変化やITの発達により注目されています。

ここでは、組織開発の概要や人材開発の違いについて解説します。具体例を知るにあたって、まずは組織開発に関する理解を深めましょう。

社員と組織の関係性を改善する取り組み

組織開発とは組織の関係性を所属している社員で改善していく取り組みのことで、OD(Organization Development)とも呼ばれています。組織開発の目的は、以下の3つです。

  • 心理的安全性の高い職場環境を構築する
  • 組織の生産性を高める
  • 外部環境の変化に対応できる組織を作る

終身雇用制度や年功序列制度を撤廃する企業が増えたことで、働く上での価値観が変化しています。企業が価値観の多様化や人材不足への対応といった課題を解消し、持続的な成果を生み出すためには、組織の仕組み改善が重要です。そのため、組織開発が注目されています。

組織開発を成功させるポイントについて知りたい方は、こちらの記事をあわせて参考にしてください。

関連記事:組織開発を成功に導く秘訣〜効果測定から課題対応まで実践者が知るべきポイント〜

人材開発との違い

組織開発と人材開発は、対象に違いがあります。主な違いは、以下の通りです。

組織開発人材開発
対象者関係性や相互性を対象
例)
・人と人
・組織と組織
人を対象
例)社員個人
目的社員と組織の関係性を改善する取り組み個人のスキルや能力を伸ばしてパフォーマンスを向上させる取り組み
手法・対話型ワークショップ
・サーベイ など
・研修
・セミナー
・OJT など

つまり、組織開発は組織の改善を図るのに対して、人材開発は個人のスキルアップを促す取り組みという違いがあります。自社の目的に合わせて、組織開発と人材開発を使い分けることが重要です。

組織開発におけるフレームワークや手法の具体例

組織開発において、どのような取り組みを行うべきかわからないと感じる方もいるでしょう。

ここでは、組織開発におけるフレームワークや手法の具体例を解説します。効果についてもまとめているので、参考にしてください。

ミッション・ビジョン・バリューを策定する

ミッション・ビジョン・バリューはMVVとも略されており、企業の存在意義や目指す姿、行動指針を明確にするフレームワークです。ミッション・ビジョン・バリューの活用により、組織の経営方針が明確になるため、どのような活動をすべきか判断しやすくなります。

具体的な手順は、以下の通りです。

  1. 存在意義や果たすべき使命などミッションを決める
  2. ミッションを達成するためのビジョンを具体的に描く
  3. ミッション・ビジョンに基づいた行動基準を定める

ミッション・ビジョン・バリューを策定する際は、バリュー評価の導入が効果的です。バリュー評価とは、「企業の価値観に沿って行動できているか」といった視点で社員を評価する制度で、バリューに沿った行動を実践できているか判断できます。

OKRを導入する

OKR(Objectives and Key Results)は、目標(Objective)と主要な成果指標(Key Results)を設定して、組織の目標管理を行うフレームワークです。OKRの活用により、目標を具体的に落とし込めるため組織全体の方向性が揃い、成果を高めやすくなります。

OKRの導入手順は、以下の通りです。

  1. 組織全体やチームなど各層の目標を決める
  2. 各目標に対する成果指標を決める
  3. 各層で進捗確認を実施し、目標達成へ向けて行動する

社員や組織のモチベーション向上には、実現可能な高い目標設定が重要です。また、目標を決める際は、期限を明確にする必要があります。

7Sフレームワークを活用して組織課題を分析する

7Sフレームワークとはマッキンゼーの7Sとも呼ばれており、7つの要素から組織を分析するフレームワークのことです。組織の現状を把握し、課題を明確にしたい場合にも、7Sフレームワークは有効な手段といえます。

7Sフレームワークでは以下の通り、目に見える部分のハード面と見えにくい部分のソフト面に分類され、両面を照らし合わせて自社の現状を分析します。

ハードの3Sソフトの4S
・戦略(Strategy):目的達成に向けた取り組み内容
・組織構造(Structure):企業組織の仕組み
・システム(System):企業内のルールや業務を機能させるシステム
・共通の価値観(Shared Value):ミッションやビジョンなど組織の存在意義
・スキル(Skill):社内で保有している知識やノウハウ
・人材(Staff):社員
・スタイル(Style):企業風土

各要素から現状を把握できるため、多角的な分析が可能です。課題を明確にしたあとは、優先順位の高いものから具体的な対策を検討していきます。

1on1ミーティングを実施する

1on1ミーティングとは、上司と社員が1対1で行う対話です。1on1では社員が主体的に話し、上司は傾聴が中心です。

1on1ミーティングでは、社員の悩みや不安を発見し適切な対策につなげられるため、エンゲージメントを高める効果が期待できます。

1on1ミーティングの効果的な進め方は、以下の通りです。

  1. 1on1ミーティングの目的を明確にして共有する
  2. 社員に話したいことをまとめてもらう
  3. 1on1を実施する
  4. ミーティング後上司はフィードバックを行う
  5. 定期的に1on1を実施する

上司は傾聴に徹底し、社員自身に答えを考えてもらうことが重要です。そのため、1on1ミーティングでは組織内のコミュニケーションが活性化し、信頼関係の構築と自律型人材の育成を実現できます。

納得感を生み出す1on1のやり方について知りたい方は、こちらの記事をあわせて参考にしてください。

関連記事:15分で”納得感”を生み出し行動を引き出し続ける時短1on1の4ステップ〜忙しい管理職でも社員の主体性を高めることができる対話技術〜

チームビルディング研修を行う

チームビルディング研修とは、組織が目標達成に向けて共同できる状態を作るための取り組みです。チームビルディング研修の主な目的は、組織の協調性向上です。社員が一緒に課題に取り組むことで理解が深まり、信頼関係が生まれます。

コミュニケーションが活性化すると、各社員が課題や役割を明確にできるため、自発的な行動を促せます。チームビルディングを進めるための具体例は、以下の通りです。

  • ゲームを取り入れお互いの理解を深める
  • ワークショップを実施して主体性を引き出す
  • サーベイフィードバックなど対話を用いてチームの一体化を高める

チームビルディングの実施後は振り返りを行い、定期的に継続していくことが効果を得る上で大切です。

組織開発における企業の取り組み具体例

自社に適した組織開発のフレームワークや手法を検討するためには、企業の取り組みを参考にするのもおすすめです。

ここでは、他社が実際に取り組んでいる組織開発の事例を4つ紹介します。実際の企業がどのように組織開発に取り組んでいるのか知りたい方は、参考にしてください。

LINEヤフー株式会社|経営幹部と社員のコミュニケーションの場を提供

LINEヤフー株式会社では、「LINEヤフーAll-Hands Meeting」を定期的に開催し、経営層と社員のコミュニケーション促進を図っています。「LINEヤフーAll-Hands Meeting」では、社員や経営幹部が社員に施策や取り組み、判断理由などを直接伝える場を設けています。

また、日本語だけでなく、英語や韓国語の同時通訳も提供されているため、全社員が理解し、認識を共有できる点が特徴です。「LINEヤフー All-Hands Meeting」後には参加者アンケートも実施され、参加した社員の声はダイレクトに経営層にフィードバックされています。双方向コミュニケーションを行い、経営層と社員の対話を促進している組織開発の事例です。

参考:カルチャー醸成・モニタリング|LINEヤフー株式会社

カゴメ株式会社|キャリア自律を目的に社内公募制度を導入

カゴメ株式会社では、キャリア自律を徹底しており、社員自身の決定を後押しするサポート体制が整っています。自律的なキャリア構築を支援する主な制度は、以下の通りです。

  • 自己申告の内容に対するコメントをもとに直属上長と面談
  • キャリア異動希望制度や社内公募制度
  • 社員のニーズに合った能力開発支援型の教育・研修
  • 社員自らキャリアを自律的に構築する機会の提供

「どのようなキャリアを実現したいのか」「どのような知識・スキルを身に付ける必要があるのか」については、各社員が決定するよう求めています。社員の決定を後押しし、支援する体制を整えている事例です。

キャリア自律の概要や求められる背景について知りたい方は、こちらの記事をあわせて参考にしてください。

関連記事:キャリア自律とは~企業が促進するポイントと具体的な施策~

参考:実践事例 変化する時代の キャリア開発の取組み|厚生労働省

パーソルテンプスタッフ株式会社|主体性を高めるセルフリーダーシップ研修を実施

パーソルテンプスタッフ株式会社は、周囲を引っ張るリーダーシップだけではなく、当事者意識を持ってフォロワーシップを発揮できるセルフリーダーシップ研修を実施しました。研修を受けるまでは、モチベーションのコントロールは自分でできるものではないと捉えている人が多数いたそうです。

しかし、セルフリーダーシップ研修の受講により、モチベーションを自分でコントロールできることに気づき、表情が明るくなる様子が見られました。自分の目標や習慣化したいことを自ら言語化し、現場での行動に結びつけようとする姿勢が強まった事例です。

弊社アンドアが行なったセルフリーダーシップ研修の事例については、以下の記事をご覧ください。

関連記事:パーソルテンプスタッフ株式会社様の事例紹介

株式会社明治|関係性の質を高めるマネジメント研修を実施

株式会社明治では、「画一的な関わり方」から脱却して、「一人ひとりに合ったマネジメントをどう実現するか」をテーマとしたマネジメント研修を実施しました。同社はこれまで、上司と社員が良好な関係性にとどまってしまい、「自分から何かを考えて行動する」といったところまで行きついていない点が課題でした。

研修スタート時は、ぎこちない雰囲気の社員が多かったですが、終わったあとはイキイキとした表情に変化していました。また、参加者からは「今まであまり感情を組み取っていなかった」「やっているつもりだったけど、全然できていなかった」といった具体的な気づきもありました。

研修後は、約40名の管理職が実際に現場で実践している成果が報告されました。

弊社アンドアが行なったピープル・マネジメント研修の事例については、以下の記事をご覧ください。

関連記事:株式会社明治様の個を伸ばすマネジメントへの挑戦〜「社員の行動が変わった」ピープル・マネジメント研修の事例

組織開発における進め方の具体例

ここからは、組織開発における進め方の具体例を解説します。

進め方のポイントもまとめているので、取り組みの成果を高めたい方は、ぜひ参考にしてください。

1.目的と課題を明確にする

組織開発を進めていくためには、目的と課題の明確化が重要です。あいまいな目的で組織開発を進めても十分な効果は得られないため、まずは解決すべき課題を洗い出しましょう。

例えば、人材の定着率に課題を抱えている場合、エンゲージメントスコアを2年以内に70%まで向上させるといった目標を設定できます。

測定が可能な目標を定めることは、組織開発を進める上で重要です。組織開発自体が目的にならないよう、自社の課題を洗い出し、「何を・いつまでに・どのようにしたいのか」を明確にします。

2.課題から自社に適した施策を検討する

課題と目的が明確になったあとは、自社に適した施策を検討しましょう。組織開発で活用できるフレームワークや手法は多岐にわたり、それぞれ目的や効果が異なります。

組織開発を成功させるためには、自社の課題や目的に適した施策を取り入れる必要があります。例えば、組織の方向性が定まっていないといった課題がある場合、経営方針が明確になるミッション・ビジョン・バリューの導入が効果的です。組織開発を進めるにあたっては、フレームワークや手法の理解も重要です。

3.小規模な施策から段階的に導入する

組織開発を進める際は、小規模な施策から段階的に取り入れ、中長期的に進めていくことがポイントです。いきなり全社に展開すると、現場の混乱や定着不足により効果を得られない場合があります。

小規模の施策からはじめることで、早期の効果検証が実施できる上に、リスクを最小限に抑えられる点がメリットです。具体的な導入方法として、まず特定のチームや部署を選定し、期間を定めて施策を導入します。

組織開発を成功させるためには、成果を出し、段階的に全社に拡大する方法が有効です。

4.効果の検証・フィードバックを行う

組織開発の成功には、実践前後の変化を検証し、改善を繰り返すことが大切です。組織開発は、組織や社員の状態に応じて適切な施策が異なります。

施策の効果を定期的に検証し、改善を繰り返すと自社に適した取り組みを実現できます。また、効果検証にはアンケートやヒアリングが効果的です。施策の定着には、全社に展開する前に効果の検証とフィードバックを繰り返しましょう。

5.施策を展開する

段階的に導入を進めていき、準備ができたら全社に施策を展開します。スムーズに導入できるよう、全社に展開する前にマニュアルやツールを整備しておくことがポイントです。

また、施策の目的を共有することで、社員が取り組む必要性を理解できます。組織開発は、展開して終わりではありません。全社に施策を展開したあとも定期的に効果を検証し、改善を続けることが組織開発を定着させる上で重要です。

まとめ

組織開発とは社員と組織の関係性を改善する取り組みで、関係性や相互性が対象です。フレームワークや手法の具体例には、ミッション・ビジョン・バリューやOKRなどがあります。

組織の課題や目的によって、適切なフレームワークや手法は異なるため、企業の取り組み例を参考に検討するのも有効な手段です。具体例をもとに、自社に適した方法で組織開発を進めましょう。
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執筆者

松本 悠幹

山梨県出身。山梨でコミュニティカフェを経営後、人材組織開発コンサルティング会社に入社。 スタートアップから大手企業の若手・中堅向けリーダーシップ開発や組織の対話風土改革に尽力した後、新規事業開発部にて事業開発マネジャー、営業マネジャーを兼任。 自社内の事業構造改革から営業戦略・マーケティング戦略まで広く携わり、その知見を人材・組織開発へ転用することを得意としている。 モットーは、「本来の力が発揮できる対話力と環境づくりを引き出す」

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