キャリア開発プログラムの導入を検討している方に向けて、本記事では、基本的な定義やメリット・デメリットを解説します。キャリア開発プログラム導入の流れや役立つ資料も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
キャリア開発プログラムの導入を検討するなかで、「具体的にどのように進めればよいのか」「どのようなメリットが期待できるのか」と疑問を持った方もいるのではないでしょうか。
従業員が自らのキャリアを描き、意欲的に仕事に取り組む環境は、企業にとっても離職防止や従業員の育成といったメリットをもたらします。
本記事では、キャリア開発プログラムの定義や導入のメリット・デメリット、活用できる人事施策まで幅広く解説します。キャリア開発プログラムの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

キャリア開発(デベロップメント)プログラムとは、中長期的な視点のもとで、従業員の能力向上とキャリア形成を促していく取り組みのことです。英語表記の「Career Development Program」から頭文字を残し、CDPと呼ばれるケースもあります。
従業員をコストではなく資本と捉えて投資する「人的資本経営」の実現においては、従業員が主体的にキャリア形成をする「キャリア自律」が欠かせません。そして、キャリア開発プログラムは、従業員のキャリア自律を支援するうえで大切な取り組みです。

キャリア開発プログラムは、従業員と企業の双方にメリットがある取り組みです。キャリア開発プログラムの導入メリットを解説するので、ぜひ参考にしてください。
キャリア開発プログラム導入のメリットとして、従業員のエンゲージメント向上が挙げられます。キャリア開発プログラムを通じて、企業が従業員の能力向上やキャリア形成をサポートするためです。
サポートを受けた従業員には、企業への信頼感や貢献意識の向上が期待できます。
キャリア開発プログラムのメリットには、離職率の低下も挙げられます。キャリア開発プログラムが効果を発揮すれば従業員から企業への信頼感が増し、「成長できる企業」として定着意欲の向上が期待できるためです。
終身雇用制度が崩壊した現代において、将来のキャリアパスを描ける企業は、従業員にとって魅力的です。
以下の記事では若手従業員の離職率低下が見込めるコミュニケーションの基本について解説しているので、ぜひあわせてご参照ください。
キャリア開発プログラムによって、主体性を持った従業員の育成が期待できます。キャリア開発プログラムを通じて、従業員に自律的なキャリア形成を促せるためです。
従業員一人ひとりが自分のキャリアを意識しながら業務に臨むようになれば、企業品質の向上にもつながります。
従業員のキャリア自律については、以下の記事もぜひ参考にしてください。
キャリア開発プログラムは、従業員のキャリア・スキルの可視化につながる取り組みです。従業員のキャリア形成をサポートしていくなかで、必然的に個々の能力やキャリアデザインなどを把握することになるためです。
従業員のキャリア・スキルを可視化できれば、適切な人材配置や育成計画の立案など、人材管理の幅広い場面で役立てられます。

キャリア開発プログラムの導入には多くのメリットがある一方で、注意すべき点もあります。キャリア開発プログラムの注意すべきデメリットについて、以下で詳しく解説します。
キャリア開発プログラムの導入にあたっては、既存の人事評価制度との整合性が取りにくい点に注意が必要です。既存の人事制度のままでは、キャリア開発プログラムに取り組む従業員を適正に評価できない可能性があります。
例えば、キャリア開発プログラムにおいて新たな挑戦を推奨していても、人事評価が「目標の達成度」のみを評価していれば、従業員の意欲は長続きしないでしょう。また、人事評価が年次や四半期などの短期成果に偏っていれば、中長期的な成長を目的としたキャリア開発プログラムが根付きにくくなります。
キャリア開発プログラムのデメリットとして、グローバル化への対応の難しさも挙げられます。従来型のキャリア開発プログラムは、日本国内の従業員育成を前提としているためです。
特に、外国人人材の価値観やキャリアに対する考え方とは乖離しやすく、十分な効果を期待できない可能性があります。多様な国籍や文化背景を持つ人材を雇用する企業においては、新たなプログラムの整備が求められるでしょう。
キャリア開発プログラムの重要性は、AIの導入によって相対的に低くなる可能性があります。AIによって迅速かつ合理的な人事管理が実現されれば、中長期的な取り組みを必要とするキャリア開発プログラムの意義は薄れかねません。
ただし、従業員のエンゲージメント向上や離職率低下などの効果は、AIによる人事管理には期待しにくいでしょう。そのため、キャリア開発プログラムとAIを組み合わせて、人事管理に活用する姿勢が望ましいといえます。
キャリア開発プログラムには、人材流出につながるリスクもあります。能力が向上して自律的なキャリア形成ができるようになった人材ほど、より良い条件を求めて転職していく可能性があるためです。
特に、キャリア意識が高まった人材を活かせる人事制度が整っていない場合、流出するリスクはさらに高まるでしょう。人材流出を避けるためには、新たな挑戦をサポートできる制度を整備していく必要があります。

キャリア開発プログラムで成果を上げるためには、ポイントを押さえたうえでの導入が大切です。以下でキャリア開発プログラムを導入する際の基本的な流れを解説するので、ぜひ参考にしてください。
キャリア開発プログラムの導入にあたって、まずは目的を整理します。目的を明確にしないと選択すべき施策を決められず、効果の判定も難しくなるためです。以下の項目を整理しながら、具体的なゴールを設定しましょう。
目的を整理したら、必要なスキルやポジションを確認し、プログラムの方針を設定します。キャリア開発プログラムは「とにかく始める」ではなく、目的から逆算して施策を検討する姿勢が大切です。
導入目的を整理したら、次に企業側と従業員側のニーズをすり合わせます。具体的には、キャリア面談を通じて各従業員のキャリア希望やスキルを確認します。
キャリア面談においては、「なりたい姿」への合意が必要です。理想の姿が明確でないまま「何をやるか」を問われても、納得感のある答えは出ないでしょう。「今後の目標は何か」と質問するのではなく「どうなりたいか」と理想の姿を聞くようにしてください。
従業員と話し合った内容を踏まえて、キャリアパスを具体的に策定します。従業員の「なりたい姿」を踏まえたうえで、「そのために何をやるか」と具体的な行動へ落とし込んでいくことが大切です。従業員のキャリアパスには、以下のようなものがあります。
各選択肢において求められるスキルや経験を伝え、従業員が自らキャリアパスを検討するように導きましょう。
従業員のキャリアパスを策定できたら、合意内容に従って配属し、研修や教育を継続的に実施します。対象の従業員が「なりたい姿」に向けて必要な経験ができるように、適切な部署へ配属することが大切です。
また、キャリア形成のためにはOJTだけでなく、研修の実施も求められます。必要に応じて外部サービスも活用しながら、キャリアパスに応じた教育環境を整えましょう。
キャリア開発プログラムに沿って従業員を配属したあとは、定期的なチェックとフォローが必要です。キャリア開発プログラムの主役は従業員ですが、企業としては目標に向かって順調に成長できているのかチェックし、適宜フィードバックを実施することが大切です。
従業員の状況や実感していることによっては、プログラムの見直しが必要になるケースもあります。また、業務を経験するなかで、「なりたい姿」に変更が生じる可能性も考えられます。定期的にキャリア面談を実施し、柔軟に調整をしながらキャリア形成をサポートしましょう。

キャリア開発プログラムの実施にあたっては、必要に応じて相性の良い人事施策を導入していくことが大切です。以下でキャリア開発プログラムの効率化につながる人事施策を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
自己申告制度は、従業員が自分に関する以下のような情報を企業に伝える制度です。
キャリア開発プログラムの実施にあたっては、各従業員の考えをしっかりと聞いたうえで、キャリアプランを策定していく必要があります。そのため、自己申告制度は、キャリア開発プログラムの効率化を図る施策としておすすめです。
導入にあたっては、従業員が申告した内容が反映されていることを実感できるよう意識しましょう。従業員との対話を重視し、結果だけでなくプロセスも大切にする評価制度の導入も視野に入れてみてください。
社内公募制度は、企業が求めるポジションを社内で公募する制度です。社内の人材に幅広くチャンスを与えることで、従業員のモチベーション向上や離職率の低下などが期待できます。
キャリア開発プログラムの実施においては、従業員の希望をキャリアパスに反映させるための制度として活用が可能です。
ただし、制度の導入にあたっては、不採用だった場合の対応についても検討する必要があります。不採用の理由をフィードバックし、次の挑戦に対してポジティブになれるように徹底することが大切です。
社内FA制度は、希望する部署への異動を従業員が自ら申し出できる制度です。これまでの業務経験や身につけたスキルをアピールし、企業からの命令ではない自発的な異動の実現につなげます。
キャリア開発プログラムにおいて社内FA制度を活用すれば、従業員の希望を最大限取り入れた人材配置が可能になります。
キャリア面談は、上司や人事担当者が従業員一人ひとりと個別に対話し、キャリアビジョンの確認や今後の行動計画の策定をサポートする制度です。従業員の「なりたい姿」を起点に対話を進め、実現に向けて「何をやるか」と具体的な行動へ落とし込めば、従業員のキャリアへの当事者意識が高まります。
キャリア開発プログラムにおける「キャリアパスの策定」においては、適切なキャリア面談の実施が不可欠です。

弊社アンドア株式会社では、キャリア開発プログラムに活用できる研修を多数提供しています。以下で研修の事例を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
<主な対象者>
「自ら学ぶ関係を作るOJTの4ステップ」は、変化が激しい時代に対応する OJTのあり方とやり方を学ぶプログラムです。ステップに分けたOJTを実施することで自ら学ぶ関係を作り上げ、現場で一人ひとりの能力を最大限発揮できる人材育成を実現できます。
「自ら学ぶ関係を作るOJTの4ステップ」の資料については、以下のページにてダウンロードいただけるので、ぜひご活用ください。
<主な対象者>
「キャリアオーナーシップ開発プログラム”My inc.”」は、現場での能力開発につながる3つのフレーム学習を通して、従業員にキャリアへの当事者意識を持たせるプログラムです。自らの強み・弱みを把握し、主体的に情報収集や成長を持続できる人材育成に役立てます。
「キャリアオーナーシップ開発プログラム”My inc.”」について気になる方は、ぜひ以下のページから資料をダウンロードしてください。
<主な対象者>
「パーソナル・ブランディング」は、自分の強みやキャリアに対する希望を整理し、キャリアを自分で作り出せる実行力と推進力を育てるプログラムです。パーパスから習慣までの一貫した目標設定を支援します。
「パーソナル・ブランディング」に興味がある方は、以下のページにてぜひ資料をダウンロードしてみてください。

キャリア開発プログラムは、従業員の能力向上とキャリア形成を中長期的にサポートする取り組みです。エンゲージメント向上や離職率低下など、企業と従業員の双方にメリットをもたらします。
一方で、人事評価制度の整合性やグローバル化への対応など、一定の課題が存在する点には注意が必要です。導入にあたっては基本的な流れを押さえたうえで、自己申告制度やキャリア面談などの人事施策も組み合わせながら進めることが大切です。
山梨県出身。山梨でコミュニティカフェを経営後、人材組織開発コンサルティング会社に入社。 スタートアップから大手企業の若手・中堅向けリーダーシップ開発や組織の対話風土改革に尽力した後、新規事業開発部にて事業開発マネジャー、営業マネジャーを兼任。 自社内の事業構造改革から営業戦略・マーケティング戦略まで広く携わり、その知見を人材・組織開発へ転用することを得意としている。 モットーは、「本来の力が発揮できる対話力と環境づくりを引き出す」
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