マネジメントの課題を整理・解決したい方に向けて、本記事では、よくある事例を紹介します。マネジメントの課題解決に向けて企業ができる施策やマネージャーに求められるスキルも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
管理職には、部下の育成やチームの目標達成、業務の効率化など、幅広い役割が求められます。しかし、いざマネジメントの立場に立つと、コミュニケーションの難しさや業務過多などさまざまな課題に直面する方も多いのではないでしょうか。
本記事では、マネジメントにおいてよくある課題を15の事例に整理して解説するとともに、解決に向けた企業の施策も紹介します。マネジメントに必要なスキルも紹介しているので、自社の課題整理や研修・育成計画の検討に役立ててください。

マネジメントの現場では、コミュニケーションから育成、業務管理まで、さまざまな分野において課題が生じます。ここでは、管理職が陥りやすい課題を15の事例に整理して解説するので、ぜひ参考にしてください。
マネジメントの課題として、部下とのコミュニケーション不足が挙げられます。管理者の言いたいことが伝わらない、指示した通りに動いてくれないなどの問題が解消されなければ、組織のパフォーマンスは高まりません。
コミュニケーション不足の背景には、管理職が多忙で対話の時間を確保できていないケースや、部下が意見を言いにくい雰囲気になっていることが考えられます。
部下とのコミュニケーション方法については、以下のページもぜひ参考にしてください。
業務過多でマネジメントに十分な時間を割けないことも、よくある課題の一つです。管理職には、自らの実務に加えて以下のような役割が求められます。
やるべきことが積み重なれば、本来注力すべきマネジメント業務が後回しになりかねません。結果として部下にうまく関与できず、組織の成果にも影響が出ます。
採用難や離職による人員不足は、多くの職場において、マネジメントを困難にする大きな要因です。人員が足りない状況が続けば、一部の社員に業務が集中してしまい疲弊や品質低下にもつながりかねません。
また、管理職自身がプレイヤー業務を担わざるを得なくなり、マネジメントに集中できない悪循環につながる可能性もあります。新たな人材の採用には時間がかかるため、ほかの管理職や人事担当者とも連携して早期に対策を打つ必要があります。
管理職が職場の業務課題を十分に把握できていなければ、対処すべき問題がどこにあるのか特定できません。
目の前の作業に追われてしまい、本来優先すべき課題への対応が後回しになれば、部下からの信用獲得も難しくなります。マネジメントにあたっては、職場の業務の全体像を整理し、重要度と緊急度に合わせた優先順位付けをすることが重要です。
管理職の中には、「早期に成果を出さなければならない」と強いプレッシャーを感じる人もいます。
プレッシャーが過度になれば、部下に対して必要以上に厳しく接してしまう可能性も考えられます。また、業務上の悩みやミスを誰にも相談できず、一人で抱え込んでしまうこともあるでしょう。
効果的なマネジメントのためには、管理職のプレッシャーを減らせるよう無理のない段階的な目標を設定し、チーム全体への悪影響を避ける必要があります。
業務の生産性が上がらないことも、マネジメントの典型的な課題の一つです。
業務の生産性が上がらない背景には、業務の適切な割り振りができていないことが挙げられます。部下の得意・不得意を把握しないまま業務を割り振れば、能力が十分に発揮されずチーム全体の士気低下につながりかねません。
また、指示やコミュニケーションの不足が原因になって業務生産性が上がっていない可能性もあります。マネジメントにおいては、コミュニケーションを通じて部下の能力や性格を把握したうえで、適切な業務を担当してもらうことが大切です。
管理職が職場内の特定のメンバーに依存してしまうと、マネジメントがうまくいかない可能性が高まります。頼みやすい人や能力の高い人ばかりに業務が集中すれば、特定の人の負担が過大になる一方で、ほかのメンバーは成長の機会を得られません。
仕事量の偏りはチーム内の不公平感を生み、全体のモチベーションや生産性の低下にもつながります。部下一人ひとりの特性やスキルを把握したうえで、バランスの良い業務配分を心掛ける必要があります。
部下の育成がうまくいかないことも、マネジメントの大きな課題の一つです。部下を育てようと意識し過ぎるあまりに、過剰にサポートしてしまうケースが考えられます。
良かれと思って手を差し伸べ続けると、部下は自分で考えて働く力が育たず、いつまでも上司への依存から抜け出せません。一方で、サポートが不足すると部下は孤立してしまい、モチベーションが低下する場合も考えられます。
管理職に求められるのは、部下の能力や成長度合いに合わせてサポートの仕方を調整する意識です。部下の自律を促す対話のポイントについては、以下の資料をぜひご覧ください。
セルフマネジメントとは、目標の達成や自己実現に向けて、自分自身の行動や感情をコントロールする力のことです。管理職として業務を遂行するためには、自分の行動や感情も管理しなければなりません。
セルフマネジメントが不足していると、プレッシャーに押されて感情的な言動が増えたり、将来に向けた明確なビジョンを描けなくなったりします。部下はリーダーの姿勢をよく見ているため、管理職自身が自らを律して行動する姿勢が、チーム全体の安定に直結します。
社員の多様化に対応できない状況では、マネジメントはうまくいきません。
近年は性別や国籍、年齢、雇用形態など、職場を構成するメンバーの背景がより多様になっています。年上の部下や外国籍のメンバーが混在する組織では、従来のような画一的なマネジメントスタイルでは通用しない場面もあるでしょう。
管理職には多様なメンバーそれぞれの価値観や強みを理解し、柔軟にアプローチを変えていく姿勢が求められます。
価値観を更新できず従来のやり方に固執してしまえば、現代におけるマネジメントはうまくいきません。
働き方改革やVUCAの時代の到来により、仕事に対する個人の価値観は大きく変化しています。しかし、過去の成功体験や自分が正しいと信じてきたやり方に縛られてしまうと、新しいアプローチを受け入れるのが難しくなります。
特に、キャリアを積んだベテラン管理職であれば、従来のやり方に固執してしまっても無理はありません。部下との価値観のずれを埋められなければ、チームの生産性は向上しないでしょう。
効果的なマネジメントのためには、時代の変化に合わせて思考を柔軟に更新する姿勢が重要です。現代における部下との関わり方や育成については、以下のページもぜひ参考にしてください。
キャリア自律時代の若手育成、鍵は「細かいフィードバック」と「対話の質」
マネジメント課題として、管理職がリスキリングに取り組めていないことも挙げられます。
外部環境の変化が激しいVUCAの時代においては、管理職が新たなスキルや知識を積極的に習得していくことが不可欠です。しかし、日々の業務に追われてリスキリングに割く時間を確保できなかったり、そもそも管理職自身が必要性を感じていなかったりするケースもあるでしょう。
ビジネス環境の変化に対応し続けるためにも、管理職は自ら学び続ける姿勢を持つことが大切です。
リモートワークの普及により、対面を前提としたマネジメントでは通用しない場面も増えています。リモート環境下では、部下の表情や業務の様子が見えにくい分、意識的に進捗確認したり細かなコミュニケーションを取ったりする必要があります。
従来の管理スタイルをそのままリモート環境に持ち込むと、部下の孤立感や業務状況の不透明化を招きかねません。チーム全体のパフォーマンス低下を避けるためには、環境の変化に合わせたマネジメント手法が求められます。
職場のチームワーク悪化も、マネジメントにおけるよくある課題の一つです。それぞれのメンバーが自分の業務に追われる状況が続くと、チームとして協力して成果を生み出す意識が薄れていきます。
メンバー間で意見の対立が生じたまま放置されるとわだかまりが残り、チームワークの悪化につながります。管理職としてチームの目標や存在意義をあらためて共有し、メンバー同士が協力しやすい環境を整えることが大切です。
組織文化の醸成については、以下のページもぜひ参考にしてください。
4月KW「組織文化」
管理職がマネジメント業務や自らの立場に適応できていない場合、組織全体のパフォーマンスも向上しません。
プレイヤーとして高い成果を上げてきた人ほど、管理職に就いたあとも自分で実務を進めようとしてしまいがちです。しかし、管理職に求められるのは、自分が動いて結果を出すことではなく、チーム全体を動かして組織として成果を上げることです。
管理職がマインドセットを切り替えられていない状態では、マネジメントが機能せず、部下の成長機会も失われてしまいます。

マネジメントの課題を個人の努力だけで解決するには限界があります。ここでは、組織として取り組める具体的な施策を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
マネジメントの課題解決に向けて企業ができる施策の一つに、管理職の職務やスキルの明確化が挙げられます。求められる役割やスキルがあいまいな場合、管理職は何を優先して取り組むべきかわからず、自信を持ってマネジメントに取り組めません。
スキルマップの策定などを通じて、各階層に必要な能力を明確にできれば、管理職が自らの強みと改善点を把握しやすくなります。昇進前に必要なスキルをある程度身につけた状態で登用すれば、管理職が感じる着任後のギャップも軽減できるでしょう。
アンラーニングを促すことも、企業ができるマネジメントの課題解決に向けた施策です。アンラーニングとは、過去の成功体験や固定観念を意識的に手放し、新しい価値観やスキルを取り入れることです。
変化のスピードが速い現代において、従来のやり方に固執したままでは環境への適応が難しくなります。ワークショップやコーチングなどを通じて管理職の内省を促し、古い思考の枠組みを取り払うことで、柔軟なマネジメント力の育成につながります。
新任管理職に対しては、重点的にフォローする姿勢も大切です。多くの企業では管理職を「自立した存在」として捉えるため、登用後のサポートが手薄になりがちです。
しかし、経験の浅い管理職は部下育成や目標管理など複数の課題を抱えやすく、周囲のフォローを必要としています。組織として支援体制を整えることで、新任管理職が安心してマネジメントに取り組める環境を用意できます。
管理職への登用前に、課長補佐やプロジェクトリーダーなど、擬似的なマネジメントを経験できるポジションを設けることも有効です。実務を通じて人を動かす難しさや、チームをまとめる感覚を事前につかめれば、昇進後のギャップを軽減できます。
小さな組織のリーダーを任せるなど、段階的に責任の範囲を広げていく育成設計ができれば、新任管理職でも早期適応しやすくなります。
管理職研修の実施も、マネジメントの課題解決に向けて企業ができる施策の一つです。以下のように、管理職に求められるスキルは幅広く、現場経験だけでの習得には限界があります。
部長・課長など階層ごとに内容を分けて研修を実施すれば、それぞれの段階に応じた課題に的を絞った育成が可能です。また、社内研修に加えて外部の研修サービスやセミナーを積極的に活用すれば、社内のリソースを温存しつつ最新のマネジメント手法を体系的に学べます。
管理者研修の事例については、以下のページもぜひ参考にしてください。
4月KW「管理職研修 事例」

マネジメントを効果的に行うためには、以下のような複数のスキルを組み合わせて活用する必要があります。
| スキル | 概要 |
| 目標設定能力 | チームや個人の目標を適切に設定し、達成に向けた計画を立てる力 |
| 進捗管理能力 | 業務が計画通りに進んでいるかを把握し、問題が生じた際に柔軟・迅速に対応する力 |
| コミュニケーション能力 | 部下との信頼関係を築き、意見を引き出す力 |
| 意思決定能力 | 状況に応じて迅速かつ的確な判断を下す力 |
| 問題解決能力 | チームに生じた問題の本質を見極め、適切な解決策を講じる力 |
上記のようなスキルは一朝一夕で身につくものではありません。日々の実践と学びを積み重ねることで、マネジメントに必要なスキルを着実に高めていけます。
管理職の対話力向上に向けた育成計画の策定には、以下の資料をぜひご活用ください。

本記事では、マネジメントにおいてよくある課題と解決に向けて企業ができる施策を紹介しました。
コミュニケーション不足や部下育成の難しさ、業務過多など、管理職が抱える課題は多岐にわたるため、個人の努力だけで解決するのには限界があります。そのため、管理職研修の実施やプレマネジメント経験の付与など、企業として組織全体でマネジメントを支援する体制を整えることが重要です。
マネジメントの課題解決に向けて、まずは自社の管理職が何に悩んでいるかを把握するところから始めましょう。
山梨県出身。山梨でコミュニティカフェを経営後、人材組織開発コンサルティング会社に入社。 スタートアップから大手企業の若手・中堅向けリーダーシップ開発や組織の対話風土改革に尽力した後、新規事業開発部にて事業開発マネジャー、営業マネジャーを兼任。 自社内の事業構造改革から営業戦略・マーケティング戦略まで広く携わり、その知見を人材・組織開発へ転用することを得意としている。 モットーは、「本来の力が発揮できる対話力と環境づくりを引き出す」
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