成功を次年度へつなぐ戦略的なチームクロージングとは

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チームクロージングは、次年度への戦略的な準備を整えるための重要なプロセスです。本コラムでは、振り返りを成功に導くファシリテーションポイントや、個々の成長を促す具体的な手法について詳しく解説します。成果を振り返り、貢献を可視化することで、チーム全体の結束力と目標達成意欲を高める実践的な方法を学びましょう。

チームクロージングの目的と重要性

チームクロージングは、年度末の総括と次年度への準備を目的とした重要なプロセスの一つです。

このプロセスの目的は、振り返りを通じて、成果や課題を明確化し、チーム全体の結束力を強化することにあります。

個々のメンバーの貢献をチームで認識し、次へのステップに自信を持って進めるための土台を築くことが可能です。

チームクロージングの概要

チームクロージングは、成果と課題の総括に重点を置く活動であり、チームメンバー同士の関係強化を目的とする一般的なチームビルディングとは異なります。

このプロセスを通じて、チーム内で成長実感を醸成し、次年度への挑戦意欲と実践的な知見を得ることができます。

チームクロージングの効果

この振り返りによって、メンバー間の信頼感が深まり、目標達成能力が向上します。

また、個々の貢献が認められることで、次年度に向けた目標設定やメンバー同士の助け合いを促進する効果があります。

業務総括との違い

業務総括が主に数値的な成果に焦点を当てるのに対し、チームクロージングは感情的および認知的学びを共有する場です。

この共有は、チームの中長期的なパフォーマンス向上に寄与します。

チームクロージング

チーム全員で振り返る意義

チームクロージングにおいては、メンバー全員で振り返りを行うことが重要になります。

個々が仕事を通して感じていたプロセスに合わせて、感情を言語化していくことによって、チームで共有できる持論を形成します。

同じ持論を持つことによって、チームの中での共通言語を作り出すことができ、個々の成長とチームの一体感を醸成することに繋がります。

感情の共有と記録

感情の変化や重要な出来事を振り返ることで、チーム全体で年間を通して「何があったか」に加えて、「どう感じていたのか」という感情への理解を深めることができます。

例えば、「達成感を得た瞬間」や「課題に直面した場面」を言語化することで、日頃話せていない一人ひとりの想いを引き出す場になります。

学びの共有

プロセスを振り返る際には、成功事例と失敗事例を共有し、そこから得られた教訓を次年度に活かせる要素を抽出します。

その際には、メンバー間の知識共有・体系化を念頭におき、1人ひとりの理解と腹落ち感を高めていきましょう。

フィードバックの活用

一人ひとりへのフィードバックを用いることで、各メンバーの役割と貢献が明確化されます。

特に、チームメンバー同士でのお互いへの感謝のフィードバックが、1人ひとりの貢献実感と成長実感を作り出すことに繋がります。

どのように「実感」を作り出していくのか、そのポイントを解説します。

個々の成長を促す振り返りのポイント

個人の成長を認識し、次年度のさらなる成果につなげるために、具体的な問いかけやフィードバックが必要です。

成長を実感する問い

以下のような問いを交えながら、メンバーとチーム全体に成長実感を生み出しましょう。

  • 「この1年間で最も成長を感じた瞬間は何でしたか?」
  • 「どのスキルが特に向上しましたか?」
  • 「自分の行動で特にチームに貢献したと感じたことは何ですか?」

自己肯定感を高める具体例

具体的な成功体験をフィードバックで共有することで、メンバーの自己肯定感を高めることができます。

リーダーが日頃見えていない行動であっても、他のメンバーが共有することで、フィードバックを返すことができ、一人ひとりの貢献実感を高めることができます。

次年度に向けた目標の明確化

チームクロージングの場では、明確な目標ではなく、一人ひとりの成功イメージの言語化に留めることが重要です。

感謝や貢献を確認して、自信が高い状態でイメージする姿は、「なんとなく決めた」目標よりも、より新しい挑戦を生み出すことができます。

個人の成長を振り返る

チームクロージングのファシリテーションのポイント

効果的なチームクロージングを実現するためには、計画的なファシリテーションが必要です。
以下に、具体的なポイントを示します。

時間とアジェンダの確保

1~2時間程度の時間を確保し、振り返りの目的や進行計画を明確にしましょう。
アジェンダには、感謝の共有、課題の分析、目標設定などを含めると効果的です。

成功事例の共有

「なぜうまくいったのか」を全員で考え、その要素を抽出することが重要です。
このプロセスを通じて、成功の背景にある要因を明確にし、次年度の計画に活かすことができます。

時系列で貢献を可視化

チーム史などを用いて、年度中の出来事を振り返りましょう。
一人ひとりの感情や貢献、感謝の気持ちを確認することで、チーム全体の学びを深めることができます。


チームクロージングは、単なる年度末の振り返りではなく、次年度の成功を目指す戦略的な準備プロセスです。

単なる業務総括で終わることなく、メンバーの「実感」を作り出すことで、次年度の取り組みスピードや成長へ繋がる「共通言語」を作っていきましょう。

執筆者

堀井 悠

スターバックス、学習塾、リクルートを経歴し、大手・ベンチャーのカルチャーを経験。 人材組織開発コンサルティング企業で、自動車メーカー、食品会社、スタートアップ事業で企画、開発、講師を経験。 独自の理論「腹割り対話でつくる組織変革」を提唱。 モットーは「あした、また、がんばろう」と思えるチームを増やすこと。

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